研究課題/領域番号 |
62440035
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
近藤 東郎 慶應義塾大学, 医学部・衛生学公衆衛生学教室, 教授 (00129438)
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研究分担者 |
角田 透 杏林大学, 医学部・衛生学教室, 専任講師 (80095629)
鎌倉 光宏 慶應義塾大学, 医学部・衛生学公衆衛生学教室, 専任講師 (60169604)
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キーワード | 健康危険度予測 / 予測システム / 肥満評価 / 腹囲 / 喫煙意識 / Tリンパ球サブセット / HLA抗原 |
研究概要 |
本研究では平成元年度は、其職域において一定期間を前後して健康危険度予測システムの実施を行った。特に今回の調査では、1回目の健康危険度システムの危険度の定量化表示による生活改善への影響力の比較調査を行った。その結果、健康危険度予測システムを単体で行なう方法では健康改善効果は少なく、健康危険度予測システムと個別システムを併用することにより効果が期待されることがわかった。また観察期間については、各危険因子項目ごとに適切な観察期間を設定する必要があることも判明した。次に、体格指数と脂肪分布からみた肥満評価に関する研究を行った。身長による腹囲の回帰分析の結果は、期待腹囲=0.8×身長-57.7で、回帰式の寄与率は0.556であった。その他の知見も合わせると、在来の指標で普通体とされる者に、腹囲を追加測定することは、健康異常を認識する上で意義を有するものであり、今後肥満判定の項目として採用されるべきだと思われた。国際比較研究の一環として、代表的な生活習慣である喫煙行動とその意識に関して日韓比較研究を行った。その結果、わが国は韓国に比べて喫煙者全体の割合は低かったが、1日21本以上の喫煙者については、むしろその割合が多かった。また、わが国では喫煙の害についての知識が普及しているために新たな禁煙の動機付けとはなり難く、他の健康意識を向上させるための方法や禁煙環境の整備拡充が重要であることも示唆された。最後に生体試料としての血球、とくにリンパ球を用いた日本人の免疫遺伝学的な特性に関する検討を行った。その結果、Tリンパ球サブセットに関しては加〓の影響を十分に考慮する必要があること、またHLA抗原の分布に関しては、対象が比較的少数であったにもかかわらず、連鎖不平衡を含めてかなり特徴的かつ特異的な所見が得られる傾向があることがわかった。
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