研究課題/領域番号 |
62440038
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 独協医科大学 |
研究代表者 |
牧野 荘平 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10049140)
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研究分担者 |
有馬 雅史 獨協医科大学, 医学部, 助手 (00202763)
湯川 龍雄 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80158336)
本島 新司 獨協医科大学, 医学部, 講師 (90157842)
福田 健 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (90088873)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1990
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キーワード | PAF / 好酸球 / 気道過敏性 / 気管支喘息 / マウス / モルモット / PAF拮抗薬 / 細胞免疫 |
研究概要 |
研究成果:(1)モルモット実験喘息モデルにおける遅発型反応と気道過敏性亢進に及ぼすWEB2086の影響:我々はすでに抗原反覆吸入感作モルモットで、抗原曝露後、50%以上の動物に遅発型気道収縮反応と気道反応性亢進が起こることを認めている。そこで持異的PAF拮抗薬であるWEB2086を前投与して、同様に抗原曝露した所、曝露直後の即時性気道収縮は抑制しなかったが、遅発型気道収縮反応を有意に抑制し、さらに、曝露24時間後および5日後の気道反応性の亢進を抑制することを認めた。この事実はPAFが抗原曝露による気道反応性亢進に関与していることを明らかにした。その機序としては、WEB2086が同じ実験系で好酸球浸潤を抑制した点で、PAFが抗原曝露後気道に好酸球を遊走させることによって、気道反応性亢進を起こす可能性を示した。本研究は、ヒト喘息に対してPAF拮抗薬が治療的役割を持ちうることを示したものである。(2)能動感作によるPAF好酸球遊走能の亢進:被動感作動物に比べて能動感作動物の抗原曝露による好酸球浸潤がより強くかつより長期であることが知られている。能動感作動物は、特異的抗体の存在の外に感作リンパ球の存在が特微である。よって、腹腔内に抗原注射により感作したBALB/Cマウスの皮内にPAF10mgを注射し、6時間後の同皮膚の好酸球浸潤を測定した。感作動物の好酸球浸潤は、非感作動物に比して有意に高かった。この事実は能動感作に伴うT細胞よりのサイトカイン(ILー5,ILー3,GMーCSF)などにより、PAFによる好酸球浸潤が促進された可能性を示している。好酸球浸潤による気道粘膜炎症が気道反応性亢進の原因の一つであることから、細胞免疫抑制剤の気道過敏性コントロ-ルへの応用を示唆した。
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