研究課題/領域番号 |
62440046
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
高橋 康郎 東京都神経科学総合研究所, 心理学研究室, 参事研究員 (00073057)
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研究分担者 |
会沢 久美子 東京都神経科学総合研究所, 心理学研究室, 主事研究員 (10202441)
本多 芳子 東京都神経科学総合研究所, 心理学研究室, 主事研究員 (50142154)
臼井 節夫 東京都神経科学総合研究所, 心理学研究室, 主事研究員 (30160253)
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キーワード | サーカディアン・リズム / ラット / 位相後退モデル / 高照度光照射 / 時差モデル / トリアゾラム |
研究概要 |
1.サーカディアン・リズム位相後退モデルに対する高照度光照射の効果。環境明暗サイクルの周期を同調可能な範囲内で、24時間から短縮すると、ラット行動(睡眠、自発運動、飲水)や体温リズムの位相は明暗サイクルに対して後退し、短日にすると更に後退する。これは冬期うつ病のリズム位相後退モデルとみなすことができる。このモデルで2000および9000ルックスの高照度光を1時間照射して、リズム位相の変化を検討した。明期末期に照射するとリズム位相は後退したが、明期初期の照射では予期したリズム位相前進が認められなかった。これは背景となる明暗サイクルの照度が100ルックスで、既に位相変位作用の頂値に達していたため更に高照度の光を照射しても効果がなかったと推定された。そこで背景照度を5ルックスに減じた実験を現在実施中である。 2.時差モデルに対するトリアゾラムの再同調促進効果。12:12時間の明暗サイクルの位相を急に6時間前進させ、ラットの行動リズムが再同調できるまでの日数を指標とし、明暗サイクルの移行期の種々の時刻にトリアゾムラ5mgを1回腹腟内注射して、注射時刻が再同調日数をどう変えるかについて検討した。注射時刻によって2再同調日数は変ったが、自発運動、飲水、体温についてそれぞれ異なる結果であった。恒常暗の条件下で自由継続するリズムの種々の位相で、トリアゾラム5ngを1回注射し、注射位相とリズム位相変位の大きさとから位相反応曲線を作製した。しかし注射位相によってリズム位相変位が有意に変化するという結果は得られなかった。Turekらがハムスターで報告しているトリアゾラムの効果とは、我々のラットの結果が異なるので、同じゲッシ類でも種差があることが判明した。
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