研究課題/領域番号 |
62440052
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
阿曽 弘一 北里大学, 医学部, 教授 (00050310)
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研究分担者 |
大和田 隆 北里大学, 医学部, 教助 (00050469)
柴田 久雄 北里大学, 医学部, 教授 (60050340)
田崎 義昭 北里大学, 医学部, 教授 (80050326)
矢田 賢三 北里大学, 医学部, 教授 (90050351)
柏木 登 北里大学, 医学部, 教授 (60095502)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 原発性肝癌 / 肝硬変症 / ヒト同所性肝移植 / 脳死ドナー / HLAーtyping / 臓器保存 / イヌ同所性肝移植 / 移植ネットワーク |
研究概要 |
本研究は、各科の協力のもとに臨床肝移植を行うことを目的としたが、研究期間内に臓器提供が得られず、施行し得なかった。しかし各担当分野それぞれの研究は進み、臨床肝移植を行う体制を整えることができた。 組織適合抗原の解析および特異的免疫制御体の解明について、HLAーDO系の第4番目の抗原として、Hu4bという単クローン抗体が関わる抗原分子を同定した。また習慣性流産の夫婦間で、夫リンパ球感作による妊娠維持に成功し、抗イディオタイプ抗体の出現を確かめ、さらにイヌ皮膚腎移植でリンパ組織照射による免疫不応答の検索を行い、新しい免疫抑制法の研究を進めることができた。脳死の実態調査と心肺蘇生後脳症についての検討では、46例の脳死判定後心臓死に至る時間は一次性障害群で平均29.3時間、二次性障害群で平均10.2時間であった。また経時的なneuron specific enolaseの測定により、心肺蘇生後に脳死へ移行するか否かは24時間以内に予測が可能であることが判明した。重症クモ膜下出血例102例の検討では、80%は脳死による死亡であり、脳死判定が成された症例はすべて不可逆的であった。さらに被殻出血例113例の検討では、21時間以内に51.3%が脳死状態で死亡した。死亡例の平均年齢は58.1歳であるが動脈硬化による合併症も多く、ドナーの対象と る例は少ないと考えられた。肝移植の対象疾患として、原発性肝癌271例肝硬変症288例、原発性胆汁性肝硬変症17例、Crigler Najjar症候群2例について検討し、肝移植で救命できる多くの症例のあることが判明した。 虎の門地方腎移植センターに推進協議会委員として参加し、移植のネットワーク作りを進めている。有機ゲルマニウムを用いた腎保存実験でその有効性を認めた。イヌ肝移植実験で、無肝期にBioーpumpを使用し、循環動態の安定を得て手術成功率はほぼ80%となり、臨床肝移植開始のための手術手技的準備は十分に整った。
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