研究課題/領域番号 |
62440054
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
杉田 洋一 東京慈恵会医科大学, 心臓外科, 講師 (40130174)
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研究分担者 |
佐々木 達海 東京慈恵会医科大学, 心臓外科, 講師 (20138754)
鈴木 茂 東京慈恵会医科大学, 心臓外科, 講師 (50130175)
堀越 茂樹 東京慈恵会医科大学, 心臓外科, 助教授 (90056987)
新井 達太 東京慈恵会医科大学, 心臓外科, 教授 (60056471)
KOZUKUE Toshiaki The Jikei Medical College Dept. of Cardiac Surgery (10130163)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 形状記憶合金 / Angioplasty Ring / Angioplasty Ring Catheter / Neointima / 血管内視鏡 / Angioplasty Ring Stent |
研究概要 |
経皮的血管形成術後の再狭窄予防の目的で形状記憶合金を利用した、コイル状のAngioplasty Ringの開発を進めた。直径0.25mmの形状記憶合金の針金を使い長さ5mm、内径5mm、厚さ0.25mmのコイル状のAngioplasty Ring12個を作製し、7FのAngioplasty Ring Catheterの先端に巻きつけて、X線透視下で犬の総腸骨動脈に挿入した。1年の開存率84%(10/12)と良好な結果を得た。1年で取り出したRingの肉眼的所見では、内腔は薄く平滑なneointimaで全周がきれいにおおわれていた。4個のRingは2年まで観察したところ、すべて開存していた。2年で取り出したRingの肉眼的所見では、内腔は薄く平滑なneointimaで全周がきれいにおおわれていた。組織学的所見では1年目でのneointimaの厚さは30〜100ミクロンで、2年でのそれは100〜200ミクロンであった。直径0.15mmの形状記憶合金の針金を使い、将来人間の冠動脈に挿入可能な、内径3mm、長さ5mm、厚さ0.15mmのAngioplasty Ringを10個作製し、4FのAngioplasty Ring Catheterに巻きつけて、X線透視下にウサギの大動脈内に挿入した。1ケ月で開存率90%(9/10)と良好な結果を得た。抗凝固剤は全く使用しなかった。1ケ月で取り出したRingの内面は薄く平滑なneointimaで全周がおおわれていた。又血管内視鏡にてRingの内面をおおうneointimaの様子が観察された。解離性大動脈瘤の治療を目的とした、長さ20mm、内径20mm、厚さ0.5mmのAngioplasty Ring Stentとそれを冷生食水の中で1本のwireに伸し、大動脈内に挿入できる先端部のみが、metal flexibleな8FのAngioplasty Ring Stent Catheterを作製し、急性実験ではあるが山羊の大動脈内に挿入する事に成功した。今後は犬の大動脈へ挿入用の長さ10mm、内径10mm、厚さ0.5mmのStentを作製し、慢性動物実験を開始する予定である。この様に形状記憶合金によるAngioplasty Ringは良好な生体適合性を有し、将来臨床応用に非常に期待が持てる。
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