研究概要 |
1イヌ広背筋を用い,ロール状骨格筋心室を作成し心筋置換,心補助の可能性,至適刺激条件,骨格筋内血流動能,生化学変動等を検討した. (1)広背筋を剥離し, 一重のロール状Ventricle作成し日本光電社製,電気刺激装置(ペースメーカ)を用いて以下の種々の条件のburst連続刺激を胸背神経に与え,骨格筋Ventricleの収縮を得た. (刺激パルス:210usec,5volts,刺激頻度:10,25,50,75,100Hz,刺激持続時間200msec). 広背筋Ventricleの発生内圧,拍出量をtest Circuit(前負荷10〜25mmHg,後負荷80mmHg)を用いて,測定した結果, 左心室補助の際は 前負荷25mmHgにて25^<HZ>以上のburst刺激にて, 150〜200mmHgの内圧発生,60〜70ml/min/kgの拍出量が得られた. これより左室切除後の広背筋移植による心補助が可能である事が示さされた. (2)以上で得られた至適刺激条件を用いて60/分〜120/分の連続収縮実験を施行し骨格筋疲労を評価した. 内圧,拍出量は連続刺激開始直後より指数関数的に減少し5分後には全例, 拍出は停止,内圧も急速に低下した. この際, 支配静脈サンプリングにて生化学的変動を評価し, 著しいPH低下,乳酸値上昇が認められた. 一方,広背筋連続刺激時の血流量は, 安静時10〜12ml/min/100g筋重量)に対して連続刺激中12〜18ml/min,刺激停止後30ml/min/100gと著しい増加を認め, 骨格筋収縮に際して著明な血流量増加が生じることが,示された. 現在, 疲労軽減に関するペーシングトレーニング法を検討中. 2骨格筋血流の増加,及び臨床応用をふまえた遊離広背筋モデルの作成を目的に,胸背動脈ー内胸動脈,鎖骨下動脈の血行再建,吻合に関する基礎的研究を行なった. ラットの血管を用いてCO_2レーザー血管吻合実験を行ない,40〜60mWatt,10〜20秒の照射が至適吻合条件である事が判明,イヌ広背筋血管吻合を検討中である
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