研究課題/領域番号 |
62440055
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
堀越 茂樹 慈恵医科大学, 医学部心臓外科, 助教授 (90056987)
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研究分担者 |
森田 紀代造 慈恵医科大学, 医学部心臓外科, 助手
佐々木 達海 慈恵医科大学, 医学部心臓外科, 助手 (20138754)
杉田 洋一 慈恵医科大学, 医学部心臓外科, 講師 (40130174)
鈴木 茂 慈恵医科大学, 医学部心臓外科, 講師 (50130175)
新井 達太 慈恵医科大学, 医学部心臓外科, 教授 (60056471)
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キーワード | 自己骨格筋移植 / 心室補助 / 補助循環 / 心室置換 |
研究概要 |
I.ビーグル犬及び雑種成犬計39頭を用い電気的訓練4〜7週を施行した遊離広背筋グラフトを作成し、以下の実験を行った。 1)左心系循環補助の為の至適トレーニング条件の検討:各種条件にて慢性電気的刺激を与え、骨格筋疲労のトレーニングによる軽減効果を検討した結果、4〜10Hzのtrainedーpulseによる訓練が、有効であり、これら適正な電気的トレーニングにより、(1)骨格筋線維の転換(タイプII→I)(2)血流供給能の増大(3)嫌気性代謝の改善が得られることが判明した。 2)左心補助の至適駆動条件の検討:遊離広背筋グラフトを用いて、骨格筋心室を作成し、この収縮力を、左心系を想定したテスト回路により検討した。この結果、日本光電社製プログラム電気刺激装置を用いたBurst刺激(25〜50Hz、duration200msec)により駆動に於て、十分な左室補助が可能であることが明らかになった。 3)遊離骨格筋移植による左室心筋置換の研究:1)2)の基礎的研究を元に、同様の電気的トレーニング後の遊離広背筋グラフトを作成した。あらかじめイヌの前側壁心筋硬塞を作成し、同部に広背筋グラフトを縫着し左室部分補助を行った。遊離広背筋グラフトの血行再建には当初、カニューレを用いた体外回路を使用したが、左内胸動静脈及び右心耳、等と支配動静脈の直接吻合法を使用、レーザー吻合器を用いる等、改良を加えた。これらの結果、移植グラフトの駆動により、硬塞部左室壁を受動的に短縮させ得ること、即ち、骨格筋移植による明らかな左室壁部分補助効果が示された。 今後、臨床応用を目指した、左室心筋の定量的切除ー広背筋グラフトによる置換実験を施行し、本法の臨床的有用性・適応条件、限界を明確にすると共に、術式の確立を目的とした研究を継続する。
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