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1988 年度 実績報告書

全脳虚血の病態と治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62440063
研究機関山口大学

研究代表者

武下 浩  山口大学, 医学部, 教授 (50034898)

研究分担者 永井 郁夫  山口大学, 医学部, 助手 (30145536)
石川 敏三  山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
坂部 武史  山口大学, 医学部, 助教授 (40035225)
キーワード脳虚血 / 局所脳代謝 / 局所脳血流量 / カルシウム蓄積 / 受容体結合 / 記憶障害
研究概要

一過性脳虚血の後遺症である記憶障害及び行動異常に対するCa拮抗薬の治療効果について、Ca蓄積及び神経伝達物質受容体変動の面から検討した。前年度に確立した脳虚血モデル(両側総頸動脈及び低血圧:平均動脈圧50mmHg)を用い、10分間の虚血後再灌流し、直後に薬物を投与したのち7日間観察した。記憶の保持あるいは行動異常については、それぞれ、条件付回避反応率(CAR)あるいは、オープンフィールド法を用いて7日間測定した。Ca蓄積は、局所脳8カ所のCa濃度を原子吸光法を用い、3日後及び7日後に測定した。また、アセチルコリン(Ach:^3HーQNB)及びグルタミン酸(Glut:^3HーLーGlutamate)受容体結合をinvitro autoradiographyを用い、7日後に測定した。薬物は非治療群では生食水を投与し、治療群ではPentobarbital(PB)、Ca拮抗薬Nimodipine(NM)あるいはTA3090(TA)を投与した。その結果、CARは非治療群で7日間障害されたが、PB及びNM群では保持された。運動量は2日後に非治療とNM群で増加したが、PB及びTA群では変化がなかった。情動の指標は、7日後にPBあるいはNM群で改善された。Ca蓄積は、非治療で3日後及び7日後共に増加する傾向、PBで改善する傾向にあったが、統計的有意差ではなかった。^<3H>ーQNB受容体結合は、非治療で大脳皮質(CT)、海馬(HC)、手綱核、扁桃体(AM)、中隔核ー被殻で減少し、NM群ではCTを除く部位で改善された。^<3H>ーGltamateは、CT、HC、AMで減少したが、NM群ではAMを除き改善された。以上のことから、一過性脳虚血後の記憶障害、行動異常に、脳内Ca蓄積あるいは、Ach、Glut受容体結合減少が密接に関与している可能性が明かとなった。Ca拮抗薬、Nimodipineの虚血後投与は、PBと同様記憶障害を改善し、Ach及びGlut受容体結合を温存させる作用を有することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 坂部武史 他: J.Cereb Blood Flow Metabol.

  • [文献書誌] 武下浩 他: J.Cereb Blood Flow Metabol.

  • [文献書誌] 武下浩 他: Stroke.

  • [文献書誌] 石川敏三 他: Brain Research.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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