研究課題/領域番号 |
62440064
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
小林 建一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50056470)
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研究分担者 |
影嶋 和幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80185727)
三島 仁 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70181873)
谷藤 泰正 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (00056847)
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キーワード | ドパミン / 脱血性低血圧 / 肝循環 / Ca拮抗薬 / ニカルジピン |
研究概要 |
I.出血性低血圧ブタにおけるドパミンの肝循環に及ぼす影響 広汎な肝切除及び肝移植では大量出血に対し、輸血及び血管作動薬が用いられる。今回はドパミンの肝循環、肝代謝への影響についてミニチュアーピッグで正常血圧及び出血性低血圧で検討した。 麻酔は1MACエンフルレン、酸素で麻酔、換気なレスピレタでPaco_235〜40mmHgに維持開腹し、肝動脈、門脈に血流計を、門脈、肝静脈及び肺動脈にカニュレーションした。正常血圧及び脱血によるMAP40mmHgの脱血時にドパミン、5、10、20μgkg/minを持続的に投与し諸量を測定した。正常血圧ではドパミン投与量増加につれ門脈血流が増加し、脱血性低血圧では門脈に加え、肝動脈血流も増加し、ともに総肝血流量を増加させた。肝酸素供給量は正常・脱血群とも増加した。以上より、肝血流低下症例でのドパミンの有効性が示唆された。 II.肝血流量、肝酸素消費量とCa拮抗薬 狭心症、高血圧及び術中高血圧の治療としてCa^<++>拮抗が多く使用されている。今回はニカルジピンによる肝循環、肝酸素消費量について犬で検討した。麻酔はエンフルレン1MAC・酸素でレスピレターによりPaco_230〜35mmHgに維用した。麻酔安定後、開腹、肝動脈、門脈に血流プローベ装置、肝静脈、門脈にカテーテルと挿入した。準備終了後、ニカルジピン5、10、30、60μg/kg/minを各々15分間注入し、5分ごとに各測定を行った。結果、血圧は30〜60μgで低下したが、肝血流は5、10、30と有意な変化はみられなかったが60μgでは有意に低下した。 以上より、一般の臨床使用量とされる5、10、30μg/kg/minでは肝循環、肝代謝に大きな影響はなかった。 今後、他のCa拮抗薬についても検討する予定である。
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