研究課題/領域番号 |
62440064
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
小林 健一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50056470)
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研究分担者 |
影嶋 和幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80185727)
三島 仁 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70181873)
谷藤 泰正 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (00056847)
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キーワード | ウリスタチン / 腎機能 / ド-パミン / ドブタミン / 肝血流量 |
研究概要 |
1.ウリナスタチンの腎保護作用とその作用機序 多価酵素阻害薬ウリナスタチンは術後腎機能低下予防や種々の侵襲による腎機能抑制を改善すると云われている。先の昭和62年度の当報告で低血圧麻酔下でのウリナスチタンの腎保護作用についてイヌで検討し報告した。しかし、腎保護作用の作用機序については解明されていない。そこで、長時間の手術例(形成及び整形の血管柄付手術)10例に一定の術中輸液を行い、ウリナスタチン1万単位/kgを半量bolus、半量を点滴静注し、投与前後の時間尿量、血清、尿中電解質、クレアチニン、及び時間Ccr、PAHクリアランスを測定した。血清、尿量電解質は投与前後に有意差はみられなかった。尿量についてはウリナスタチン投与により約1、5倍の有意な増加がみられた。PAHはウリナスタチン投与により一定の傾向はみられなかったが、クレアチニンクリアランスはウリナスタチン投与で増加した。以上よりウリナスタチン投与による尿量の増加はクリアランの増加によることが示唆された。2.ド-パミンとドブタミンの肝血流の比較ー臨床例に於てー 先に出血性低血圧ブタにおけるド-パミンの肝循環に対する有効性につき、昭和63年度の当報告にて述べた。しかし、循環、特に血圧、心拍量などの点で種属差が大きいことが示唆された。そこで、臨床(血管柄付手術)6例につき、ド-パミンとドブタミンを同一症例でICGによる肝血流を測定し比較検討した。血圧は両者とも対照値と比較し有意な変化なく、心搏数はドブタミンがド-パミンより有意に増加した。肝血流では、ド-パミン、ドブタミン両者共対照値に比べ有意に、両者間ではド-パミンが高値を示した。一般の臨床でみられる様な血圧が有意の上昇がみられなかったのは、輸液が一定のため、ド-パミンの尿量増加を無視し補充しなかった事による。
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