研究分担者 |
丸茂 健 慶應義塾大学, 医学部, 非常勤講師 (80138130)
橘 政昭 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70129526)
馬場 志郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00051889)
出口 修宏 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90118977)
実川 正道 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00101957)
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研究概要 |
各種泌尿器科系悪性腫瘍に対するリンフォカイン単独ならびに腫瘍浸潤リンパ球(TIL)とInterleukinー2(ILー2)との混合培養により産生される抗腫瘍効果を示すeffector moleculeならびにキラー細胞の誘導を試みた. また, in vivoでの実験系におけるマウス肉腫細胞株Meth A,マウス腎癌細胞株MKUー2に対し, Interferon(INF), ILー2, シゾフィラン(SPG), Tumor necrosis factor(INF)の単独あるいは併用投与による抗腫瘍効果, 生存率の検討を行なった. TILとILー2の混合培養液中には, γーINF, TNFの産生が確認され, TIL自体もnatural killer(NK)活性ならびにlymphocyte activated killer(LAK)活性の増強が示された. これらのキラー細胞が従来のNK細胞, あるいはLAK細胞と同一のものか否か, 現在標的細胞の種類を変えて, その殺細胞性を検討し同定している. In vivo担癌マウスに対するILー2とSPGの併用療法は, 腫瘍径測定による抗腫瘍効果ならびに生存率の比較において, それぞれの単独の投与に比し有意な増強効果が示された. 一方, TNFはMeth A MKUー2に対し強い腫瘍壊死効果を呈し, この作用はINFとの併用により著しく増強された. 同様にTILとILー2の混合培養により産生された内因性TNFは, in vitroにおいて各種癌培養細胞に対し抗腫瘍効果を示した. 以上の結果は, 腫瘍浸潤リンパ球とリンフォカインの反応が各種の抗腫瘍性を示すeffector molecule ならびにキラー細胞を誘導することが判明した. また各種リンフォカインの抗腫瘍性は, 単独より併用により増強されることが明らかで, その効果的併用方法を検討中である.
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