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1988 年度 実績報告書

構音運動制御の中枢機序

研究課題

研究課題/領域番号 62440072
研究機関北海道大学

研究代表者

亀田 和夫  北海道大学, 歯学部, 教授 (70018414)

研究分担者 鎌田 勉  北海道大学, 歯学部, 助手 (20091431)
キーワード構音運動 / 中枢制御 / 脳等電位図 / 脳波
研究概要

昭和62年度においては脳等電位図を利用することによって、音声言語活動(特に音声聴取)に伴う脳活動について研究し、諸知見を得た。
昭和63年度においてもこの研究は続行され、構音運動に伴う脳電位分布についても研究した。その結果、音声活動時と無刺激沈黙時との差は見出されたが、部位的には顕著な局所化を見出さなかった。
本年度は電算機プログラムとして、「誘発反応図プログラムを導入することができたので、これによってさらに研究を進めた。音声刺激を与えた場合、古典的な短潜時の誘発電位は常に、確実に誘起されるし、これは部位的にも限局していることが誘発反応図で示される。しかし近年事象関連電位と呼ばれるものに注意が向けられている。これは別名をP300と言われるように、約300msという長い潜時ののちに、多くは陽性の電気変動として記録される。この事象関連電位についての電位分布図を作ったところ、非刺激時、音声刺激時、および非言語音刺激時の三条件で異ったパタンを示すことが分かった。
さらに構音運動について同称のことを試みた。すなわち最初の発声が行われた時点をトリが信号として扱った場合、短潜時の電位変化や負潜時の電位変化(すなわちいわゆる準備電位)が記録された。これと並んで長い潜時の脳電位変化が観察された。しかしこれはP300のようには、潜時が一定ではなかった。発声する際の内的条件、中枢過程はなかなか一定にはならないので、このことが原因となっている可能性もあろう。今後発声条件の一定化に努力してゆきたい。
しかし、誘発反応図によって、現在の技術でも部位局在の発見は容易になってきた。このことは本研究の見通しが明るいことを示し、研究計画を遂行する必要性を感じさせる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 亀田和夫: 北海道歯学誌. 9. 100-103 (1988)

  • [文献書誌] 鈴木寿夫,酒田英夫 編: "新生理科学大系第12巻高次脳機能の生理学(亀田和夫執筆:第3章上側頭回の機能149ー162)" 医学書院, 1-383 (1988)

  • [文献書誌] 咀嚼システムの基礎的研究総括班 編: "咀嚼システムの形成と適応(亀田和夫執筆:第13章ヒトの構音機構P.151ー157)" 風人社, 1-280 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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