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1988 年度 実績報告書

口腔内病変におけるプロスタグランジンロイコトリエンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 62440073
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

室田 誠逸  東京医科大学, 歯学部, 教授 (50072989)

研究分担者 森田 育男  東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60100129)
キーワードプロスタグランジン / アラキドン酸代謝物 / 炎症 / 歯周炎 / PAF
研究概要

歯周疾患は細菌性プラークと関連する炎症性疾患であり、その発症、進行には様々なケミカル・メディエーターが関与しているものと考えられている。炎症性歯肉組織中には多形核白血球、単球、リンパ球といった炎症性細胞が多く存在し、これらの細胞はいろいろなケミカル・メディエーターを産生しながら、歯周疾患の免疫応答に重要な役割を果たしていることが知られている。PAFは様々な強い生理活性をもつ物質であることから、歯周疾患の発症、進行に関係するケミカル・メディエータである可能性がある。そこでは本年度の研究では、正常歯肉組織と炎症性歯肉組織におけるPAFの存在とその代謝を調べた。炎症性歯肉組織から抽出した脂質を薄層クロマトグラフィーで分離したとき、スタンダードのPAFと同じRf値(0.24)をもつものは、ウサギ洗浄血小板を凝集させることができた。この凝集反応は濃度依存性を示した。またこの凝集反応はindo methacinやcreatine phosphate/creatine phosphokinaseの処理の下でも生じたことから、アラキドン酸やADPに依存性のものではなかった。PAFの特異的拮抗剤であるONO6240によって処理した場合には、凝集反応はほぼ完全に抑制された。このような物質はRf値が0.24以下の部分にはみられなかった。これらのことから、薄層クロマトグラフィー上でスタンダードのPAFに相当するゲルから抽出したサンプルは、PAFであると同定した。次に歯肉組織におけるPAFの量を調べたところ、炎症性歯肉組織では118.1±79.7pg/50mgtissueであったのに対し、正常歯肉組織では13.0±11.3pg/50mgtissueであり、炎症性歯肉組織ではPAF量が有意に増加していた(p>0.005)。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] T.Watanabe;I.Morita;H.Nishi;S.Murota: PG.LT.EFA.33. 81-87 (1988)

  • [文献書誌] K.Noguchi;I.Morita;I.Ishikawa;S.Murota: PG.LT.EFA.33. 137-141 (1988)

  • [文献書誌] Y.Baba;I.Morita;T.Susami;T.Kuroda;S.Murota: BIOCHIM.BIOPHYS.ACTA.960. 67-72 (1988)

  • [文献書誌] M.Abe;I.Morita;S.Murota: PG.LT.EFA.34. 69-74 (1988)

  • [文献書誌] K.Noguchi;I.Morita;S.Murota: ARCHS.ORAL.BIOL.34. 37-41 (1989)

  • [文献書誌] Y.Suzuki;I.Morita;Y.Yamane;S.Murota: J.BONE MIN.RES.4. 29-35 (1989)

  • [文献書誌] I.Moriat;S.Murota: "Liver prostanoids PROSTAGLANDINS-BIOLOGY AND CHEMISTRY OF PROSTAGLANDINS AND RELATED EICOSANOIDS(P.B.Curtis-Prior,ed.)" Chrchill-Livingstone, 311-322 (1988)

  • [文献書誌] S.Murota;I.Morita;K.Kato: "An in vitro assay system for measuring both vascular permebility and endothelial cell damege ROLE OF BLOOD FLOW IN ATHEROCLEROSIS" Springer-Verlag, 223-229 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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