研究課題/領域番号 |
62440074
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
原 耕二 新潟大学, 歯学部, 教授 (20018419)
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研究分担者 |
山崎 和久 新潟大学, 歯学部附属病院, 講師 (00182478)
吉江 弘正 新潟大学, 歯学部, 助教授 (20143787)
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キーワード | 歯周炎罹患者 / リンパ球サブセット / インターリュウキンZLレセプター / フローサイトメトリー / 歯肉溝滲出液 / 歯肉 |
研究概要 |
前年度に引続き、歯肉溝滲出液(GCF)、歯肉、末梢血中のリンパ球サブセットを成人性歯周炎(AP)、重度進行性歯周炎(RPP)患者で検索した。その結果、GCF、歯肉とも、末梢血に比較して、有意なHI/SC比、T/B比の低下がみられた。末梢血と比べ、これらGCF、歯肉の変動は、歯肉溝内縁上皮付近の局所での免疫応答を反映していると考えられる。病型的にみた場合、RPPはAPに対し、GCFでHI/SC比、T/B比が低く、歯肉でT/B比が低い傾向がみられた。また、HI/SC比とT/B比に関して、末梢血では弱い相関がみられたが、歯肉、GCFでは相関がみられなかった。初診時にGCFを採取した患者より、歯周初期治療後、再びGCFを採取したところ、HI/SC比、T/B比が治療に伴い変化することがわかった。このことからGCFのリンパ球サブセット検査の経過を追っていくことにより、治療に伴う、歯肉組織の変化の指標となり得ることが示唆された。 また、歯肉、末梢血中の各リンパ球サブセットに占めるILZR陽性細胞の割合を調べたところ、Tリンパ球では差がなかったが、Bリンパ球では、歯肉において、末梢血においてよりも活性化されており、局所での抗体産生の増強が示唆された。以上より、歯肉局所での免疫的な不均衡が示唆された。 以上の実験結果において、GCFは歯肉と同様に変動しているものの、変動の程度は全く同じではなかった。これは歯肉溝内縁上皮を通過してくる際に何らかの変化が生じている可能性がある。そこで、現在、さらに歯肉、GCFで詳細なリンパ球サブセット(HIサブセット、SCサブセット)でのILZR陽性細胞、HLA-DR陽性細胞を検索中である。
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