研究課題/領域番号 |
62440076
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
藤林 孝司 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (80013978)
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研究分担者 |
杉山 芳樹 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (00162909)
宮内 重幸 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (00166117)
和気 不二夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80167098)
佐藤 修 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70134723)
高橋 雄三 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50014329)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1990
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キーワード | 口腔粘膜九疾患 / 免疫学的研究 / 悪性化 / 口腔扁平苔癬 / 再発性アフタ / 口腔白板症 / 口腔乾燥症 / 口腔粘膜癌 |
研究概要 |
1。口腔粘膜症患の臨床統計研究:1981年から1988年までの8年間の口腔粘膜症患1882例の臨床統計分析を行った。その症患別分類は口腔扁平苔癬幹17.1%,ベ-チェット病を含めた再発性アフタが14.3%,口腔白板症11.7%,シェ-グレン症候群を含む口腔乾燥症が7.4%などが多数を占めていた。2。口腔扁苔癬:口腔扁平苔癬症例322例のうち約2年後に扁平上皮癌が発生した症例が1例みられ、悪性化率は0.31%であった。免疫組織学的にランゲルハンス細胞の増加、T細胞の浸潤に対応する部分の扁平上皮細胞におけるMHCのclassII抗原の発現と共に、上皮由来サイトカインや、ICAMー1やLFAー3をはじめ細胞接着因子の発現や調節発現機構の解析などの点で今後一層の研究が望まれる。3。再発性アフタ-とベ-チェット病:ベ-チェット病を含む再発性アフタ270症例のうちベ-チェット病と診断されたものは19例、7%であり、アフタの症型では大アフタ型の占める割合が増大していた。再発性アフタの症例のなかから将来ベ-チェット病を発症する可能性の高いグル-プは大アフタ型であると推測されるが、今後より長い間にわたる臨床的観察の研究が必要と考えられる。4。口腔白板症:口腔白板症220例の内、悪性化して扁平上皮癌に移行した症例が4例あり、悪性化率は1.8%であった。部位は舌3例、口底1例で、症型別の悪性化率は speckledtypeで18.2%,homogenons type で1.2%であった。5。シェ-グレン症候群および口腔乾燥症:口腔乾燥症は140例あり、そのうちシェ-グレン症候群と診断されたのは51例で、女性が96.1%であった。各種自己抗体の出現や血清アミラ-ゼでの異常所見の出現は、口腔乾燥症からシェ-グレ-ン症候群への移行を予知し、あるいはその可能性を示唆する一つの所見と考えられる。6。口腔粘膜癌:口腔粘膜癌について、患者由来未梢血リンパ球、所属リンパ節細胞、腫瘍局所浸潤リンパなどをIL2と共に培養して、キラ-細胞の誘導と活性についての研究を行うとともに、抗CD3抗体とIL2により試験管内で誘導したLAK細胞による養子免疫療法法について研究した。口腔癌の養子免疫療法としては、動脈内投与での有田性が示唆された。
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