ヒトの遺伝子マップと染色体のDNAセグメントマップの作成

1988 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 62440083
• 研究機関: 慶応義塾大学
• 研究代表者: 清水 信義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
• 研究分担者: 工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80178003)
• キーワード: 染色体ソーティング / 雑種細胞 / 遺伝子マッピング / Myeloperoxidase / Interleukin 4 / Phosphoribosylpyrophosphate synthetase / Adenine nucleotide translocater / カルパイン / プロテインキナーゼC

研究概要

ポリアミン・ジギトニン処理法でヒト培養リンパ球(GM130B)から得た分裂中期染色体をヘキスト33258で染色し、FACS 440セルソーターを用いて15画分に分別できるようになった。分別されてセルソーターから滴下してくる各染色体画分を直接ニトロセルロースフィルターにスポット状に集め、ラベルしたDNAプローブとのハイブリダイゼーションを迅速に行えるようになった。このようにソーティングした染色体フィルターと雑種細胞パネルのDNAを併用して数種のヒト遺伝子をマッピングした。これらの遺伝子はMyelo-peroxidase(MPO)/第17染色体、Interleukin 4(IL4)/第5染色体、Phosphoribosylpyrophosphate synthetase(PRPS)の2個のサブユニットの遺伝子PRPS1/Xq21-qter、PRPS2/Xpter-q21、およびPRPS1の2個の相同遺伝子PRPS1L1/7p22-qter、PRPS1L2/第9染色体、Adenine nucleotide translocater(ANT)/第4染色体である。Ca^<2+>依存性のプロテアーゼ(カルパイン)のサブユニットに関して4つの遺伝子を異なる4つの染色体にマップできた。すなわちCANPL1/第11染色体、CANPL2/第1染色体、CANPL3/第15染色体、CANPS/第19染色体である。さらにプロテインキナーゼCの基質80K蛋白の遺伝子80KーIIを第19染色体にマップした。

研究成果

• [文献書誌] Kudoh,J.;Shimizu,N.;et al.: Jpn.J.Human Genet.33. 315-324 (1988)
• [文献書誌] Arai,N.;Kudoh,J.;Shimizu,N.;et al.: Journal of Immunology. 142. 274-282 (1989)
• [文献書誌] Li,K.;Kudoh,J.;Shimizu,N.;et al.: EMBO Journal.
• [文献書誌] Minoshima,S.;Kudoh,J.;Shimizu,N.;et al.: Cytogenetics and Cell Genetics.
• [文献書誌] Ohno,S.;Kudoh,J.;Shimizu,N.;et al.: Cytogenetics and Cell Genetics.
• [文献書誌] Taira,M.;Kudoh,J.;Shimizu,N.;et al.: Somatic Cell and Molecular Genetics.