研究課題/領域番号 |
62440084
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
飯田 澄美子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (80070671)
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研究分担者 |
石井 亨子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (20202947)
村嶋 幸代 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (60123204)
松下 和子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (40095964)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 健康調査 / 後期高齢者 / 在宅ケア / 介護問題 / 保健婦 / 地域差 / 寝たきり老人 / 痴呆老人 |
研究概要 |
寝たきり老人、痴呆老人の介護家族に対するサ-ビスの在り方を考察するにあたり、地域の支援体制の異なる2地区--都市として東京都中央区、都市近郊として神奈川県南足柄市--を選定し、地域比較を行なうことによって、サ-ビスの在り方を具体的に検討した。初年度の62年度は、両地域の75歳以上の在宅の後期高齢者全員に郵送法により健康調査を行い、問題を把握し、問題の多い事例を抽出した。2年目の63年度は、問題の多い事例を一定の基準で抽出し、家庭訪問による二次調査を行なった。その過程で両地域の差、即ち、1.家族構成の違いによる家族内の介護力の差--都市では、家族人数が少なく、介護力の基盤が薄いためヘルパ-を導入し、2人以上による介護体制が組まれていること、一方、都市近郊では息子の家族との同居が多く、介護負担が嫁に集中していること--、2.家屋構造の差--都市では骨折等の事故が多く、貧しい住宅事情が背景にあること--が示された。また、3.老人が呆けと寝たきりの場合では家族関係が異なり、必要な援助も異なることが示された。二次調査の対象者から特に継続訪問を必要とする事例を選定した。3年目の平成元年度は、訪問を継続して看護援助をし、必要な援助内容について検討した。その結果、4.行なわれた援助内容は中央区が具体的な看護技術の提供、相談が多いのに対し、南足柄市は社会資源の導入が多いことが示された。同時に、両地区それぞれ9名ずつ老人の主介護者の生活時間調査を3日間行なった。その結果、5.主介護者は老人と同室で就寝する人が多く、夜間介護のために起き、睡眠中断が頻回に見られること、排泄の介助が最も多いことが示された。 以上、都市では具体的な介護援助提供の機会を増やすこと、都市近郊では一人への負担の集中を避けるような教育が必要なこと等、効果的なサ-ビスの在り方は地域特性によって異なることが明示された。
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