研究課題/領域番号 |
62440087
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
千谷 晃一 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (60179942)
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研究分担者 |
藤村 吉博 奈良県立医科大学, 輸血部, 助教授 (80118033)
松井 太衛 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (90183946)
小山 文隆 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (40194641)
関口 清俊 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 講師 (50187845)
水落 次男 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助教授 (90133149)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | フォンビルブラント因子 / 血小板凝集 / 血小板膜GPlb / 血小板膜GPIIb / IIIa / ボトロセチン / リストセチン / 単クロ-ン抗体 / アスパラギン結合糖鎖 |
研究概要 |
1)精製ボトロセチンの性質と構造:昨年に引続き、in vitroでフォンビルブラント因子(vWF)による血小板凝集を惹起するボトロセチンの蛇毒(Bothrops jararaca)よりの精製法を確立し(IgGの粗毒より約5ー10mg)、それがvWFの存在下血小板膜GPIIb/IIIaを欠くGlanzmann血小板無力症患者の血小板は凝集するが、GPIbを欠くBernardーSoulier症候群のそれは凝集しない、vWFやGPIbに対する種々の単クロ-ン抗体を用いた抑制実験の結果からボトロセチンとリストセチンの反応機序に相違のあることなど種々興味深い結果を得た(論文投稿中)。さらにボトロセチンに多数含まれるシステイン残基はすべてジスルフィド結合を形成していることを明らかにした上で、現在その一次構造を決定中である。 2)vWFの機能ドメインの発現に既に合成ペプチドを用いた実験から、vWFの血小板膜GPIIb/IIIaとの接着活性中心であると推定されているArgーGlyーAspーSerを中心とした14残基からなるアミノ酸配列をコ-ドする合成DNAを細胞接着活性のないIgG結合タンパク質プロテインAの発現ベクタ-(pRIT2T)に挿入し、大腸菌で発現させたところ、有意の細胞接着活性を示す人工タンパク質が得られた(論文準備中)。現在その他の機能ドメインの発現も試みている。 3)vWFのアスパラギン結合糖鎖:昨年に引続きvWFの糖鎖構造の決定を進めているが、その過程で約10%のアスパラギン結合糖鎖の非還元末端のガラクト-スのαーフコ-スの結合していることが明かとなった。さらにvWFがH型糖鎖に特異的なレクチンと反応し、それがフコ-スにより阻害されるので、その一部にH型糖鎖構造Fucα1ー2 Gal βー1ー4GlcNAcーが存在することはほぼ確実である。既にvWFに血液型糖鎖の存在することが示唆されていたが、その実体が明らかになったのは初めてである(論文準備中)。
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