研究概要 |
(1)理論面の考察ーーー知覚的認識において, 全体と部分のいずれも認識できる場合には, 全体の知覚(部分間の統合),部分の知覚,全体と部分の相互作用, 部分間の作用効果, という少なくとも4つの側面をとりあげねばならない点などを考察した. そして具体例として顔の知覚を対象に, 研究を計画した. (2)部分→全体(部分による全体の規定)効果の例として, 顔の部品を変えた場合, 顔の類似性の判断がいかに変わるかを実験的に調べた. 正立顔と倒立顔での結果を比べると, 目と輪郭が同じ場合は, 全体性としての顔の類似度がとくに高められて, 眉差の効果が抑制されるという効果がみられた. 倒立顔ではこのような目輪相乗効果はみられない. (3)上の効果が実質的なものであることを, 眉差弁別の國値測定によって確認した. 正立顔では倒立顔に比べて眉差の弁別感度が低下する. "似てる顔は少し位眉差が違っても同じ眉に見られる"という結果である. (4)正立顔と倒立顔知覚時の特性を, 眼球運動の面から調べるべく, 現在中国からの留学生とともに眼球運動測定装置を改良調整中. (5)合成陰影パタンによる顔の奥行き知覚(日本基礎心理学会発表). (6)表情認知の多変量解析. Stimulus patternによる相違と倒立呈示の効果の検討. (東北心理学会, 日本心理学会発表) (7)顔以外のパタンを顔とみることの探索的研究. (8)陰影パタンからの奥行き判断における顔刺激の諸特性. (9)連続量としての対称性の測定(日心発表).
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