研究概要 |
本年度は中国吉林省およびカナダバンクーバーのそれぞれにおける大学・研究機関と連絡をとりつつ調査の実施をみた. カナダに関しては, 以前からひき続き行なわれていた調査と関連させたものである. 調査対象としては特に, 中国の老齢者に主眼を置き, クエッショネアーによる質問を行なった. 吉林省で集めることのできに標本数は約250である. これは, 今世気初めての中国老齢者の実態を把握するべく行なわれた調査であり, その成果を期待している. 既にコンピューターにより, 回答結果を統計表になおす作業を終え, 来年度の分析に備えている. 今年度の計画では, 北京市及び上海市の老齢者についても調査を試みたいと考えているが,政治的理由による支障のため, 最終段番で, 100%調査活実施される可能性を得ていない. 調査の主題は, 1.高齢化社会にむかう先進資本主義社会=脱工業化社会と,近代化の遅れた伝統的な国家社会制度国民との間の相違を生ずるか. 2.社会主義社会は,内包する高齢化の問題をどのように脱皮しようとするのか について把握するための, ファーストハンドの資料(これまでは入手できなかった)を得ることである. これらを知るうえで, 最も有効な資料が収集できるものと期待している. 併わせて, こうして集められた中国の資料と, 先進資本主義国カナダとの中間に位置する日本との比較研究を試みる次第である. 協力体制は潤濶で,中国側の資料収集状況は良好である.
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