研究課題/領域番号 |
62450033
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
前田 大作 東京都老人総合研究所, 社会学部, 学部長 (70072965)
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研究分担者 |
朝倉 木綿子 東京都老人総合研究所, 社会学部, 研究助手 (70192937)
杉沢 秀博 東京都老人総合研究所, 社会学部, 研究員 (60201571)
手島 隆久 東京都老人総合研究所, 社会学部, 研究員 (30148192)
奥山 正司 東京都老人総合研究所, 社会学部, 研究員 (50073036)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 保健行動 / 症状時の対処行動 / コンプライアンス / 主観的健康度 / 中高年男子 / 死亡率格差 |
研究概要 |
当初は都市地域と農村地域の60歳以上を調査対象とする予定であったが、調査の準備の過程で大都市部における中高年男子の死亡率の格差が拡大していることが判明したので、計画を少し変更し、大都市の中高年男子の高死亡地域と低死亡地域の中年期男子の保険行動の地域差の実態とその規定要因の解明を目的として調査を実施した。対象地域としては、1985年の35歳〜64歳男子の訂正死亡率を算出し、高死亡地域として江東区、低死亡地域として文京区を選定した。今年度は、昨年度の江東区調査に引き続いて文京区で調査を実施し、集計・解析を行なった。調査方法は配票留置法、対象者は両区の35〜64歳の男子から無作為に抽出した各1000人で、有効回答率は江東区79.0%、文京区76.7%であった。主要な結果は以下のとおりである:(1)調査時点での主観的健康度、自覚症状、蓄積的疲労兆候は、両区で有意の差はみられなかった。(2)健康維持習慣については、Breslowらの7項目に3項目を加えた10項目の保健行動尺度を作成して検討したが、この平均得点は江東区で低く、項目別では「運動」で有意の差がみられた。検診受診行動では、江東区でやや低いものの有意の差ではなかった。(3)症状への対処行動は3つの側面を把握した。「軽微な身体不調時に生活を調整する割合」では江東区で有意に少なかった。「重篤な疾病の可能性のある症状時、医師に受診する割合」では両区に差はみられなかった。「有病者で医師の指示を実行した項目の割合」では、江東区で有意に少なかった。(4)各保健行動の地域差の規定要因については、分散共分散分析等による分析の結果、健康維持習慣および、軽微な身体不調時の対処行動については学歴・職業階層の両区の分布の差で、その地域差の主要部分が説明可能であった。医師の指示の遵守状況については、「近くの適当な病医院の有無」「かかりつけの医師の有無」の両区における差で説明された。
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