研究課題/領域番号 |
62450040
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
杉原 潤之輔 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (50015723)
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研究分担者 |
松井 敦典 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (40190384)
大森 義彦 高知大学, 人文学部, 教授 (80036582)
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キーワード | 四国遍路 / へんろ道 / へんろ石 / 徒歩へんろ / 四国のみち / 四国八十八ケ所 |
研究概要 |
本年度は「へんろ道」の実地調査を中心に研究をすすめた。「四国遍路指南」(眞念・1687年)、「四国遍路絵図」、(細田周英・1764年)による仮説ルートを、現存するへんろ石によって確認する方法をとった。 四国全域にわたる実地調査を行ったが、徳島県を除く他の三県については、まだかなりの部分の未調査地域を残しているので、ここでは、徳島県内の「へんろ道」について、得られた知見を示すに留めたい。 (1)徳島県内の1〜23番札所間の「へんろ道」の距離は150.6kmであり、そのうち、車両通行不能の徒歩へんろ専用道は32.9km(21.8%)である (2)その徒歩へんろ専用道のうち27%(8.9km)は通行困難または通行不能の状態である。 (3)へんろ石の年代から、江戸中期以後、現代に至るまで、「へんろ道」にはかなりの変遷があり、部分的にはいくつかの複数ルートが発見された。 (4)徳島県内の巡礼拝ルートとしての17ケ所詣り(1番札所から出発して、17番札所を経て再び1番札所にもどるルート)の道が、17番から1番の間のへんろ石の発見によって確認された。 (5)徳島県内で発見されたへんろ石は総数473基(内丁石237基)で、これらの大部分は、現代においても、徒歩へんろのための道標としての機能を果す。 (6)環境庁の補助事業として四国四県が共同で整備をすすめている「四国のみち」と徳島県内の「へんろ道」との重複は54.8km(36.3%)であり、この部分はよく整備されている 上記のとおり、今年度の調査によって、徳島県内の「へんろ道」の全容が、ほぼ明らかになったが、「四国のみち」以外の「へんろ道」及「へんろ石」については、早急の保存対策が必要と思われる。
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