研究課題/領域番号 |
62450042
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研究機関 | 国立特殊教育総合研究所 |
研究代表者 |
宮崎 直男 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 部長 (20150055)
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研究分担者 |
緒方(旧近藤) 明子 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 研究員 (40170419)
緒方 登士雄 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 研究員 (80152370)
篠原 吉徳 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 室長 (10150054)
小塩 允護 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 室長 (90090422)
石井 詩都夫 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 室長 (60168169)
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キーワード | 自閉症状をもつ精神遅滞児 / 自閉的傾向 / 言語 / 言語指導 / 集団内行動 / 集団指導 / コミュニケーション行動 / 行動問題 |
研究概要 |
自閉症状をもつ精神遅滞児は個々に種々の特徴をもっている。言語の側面についても同様である。このため対象児を追加し、継続して観察可能で資料の入手も可能な者について、対象児の言語面を主とした相互交渉場面の観察・資料の入手を行った。あわせて、学級等の集団場面の観察・資料の入手を行った。学級の条件も様々であるため、過度に絞らずに複数校から資料・データを得ることとした。 これらのデータ・資料により、分析を進めた。昨年同様、相互交渉場面のうち、対人行動の下位カテゴリーが、主対象となる。対象児からの自発的「働きかけ」の頻度は少ない傾向であった。従って主に教師からの「働きかけ」とそれへの「応じ方」が分析の焦点となりつつある。 介入の方策としては、教師等からの「働きかけ」を対象児の言語面に適合させること、対象児自身の言語技能の獲得、相互交渉の活発化、関連諸条件の整備、および集団場面における教師の「働きかけ」の改善等が考えられた。 介入の条件が十分整った対象児につき、試行的に介入を図った結果によると、無言語に近い者であっても、緊密な教師の働きかけにより、代替のコミュニケーション手段を獲得すれば、相前後して集団場面での課題の従事度も高まることが見出されている。比較的早期に行動問題の改善がみられ、音声言語が次第に習得されるにつれ、さらに集団への参加度も高まる状況も見られた。しかし、集団活動に参加していくためには、言語技能に加えて、その活動に要請される必要技能の獲得が、また言語技能の中でも理解の面の関与が小さくないこと等が改めて指摘されている。 次年度は、言語、相互交渉、集団場面の分析を行い、テーマに関する介入もモデルの提案を含めたまとめを行い、報告書を提出の予定である。
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