研究分担者 |
金子 肇 広島大学, 文学部, 助手 (70194917)
植村 泰夫 広島大学, 文学部, 助教授 (40127056)
寺地 遵 広島大学, 文学部, 助教授 (60033487)
今永 清二 広島大学, 文学部, 教授 (60033502)
横山 英 広島大学, 文学部, 教授 (30033468)
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研究概要 |
各研究者は中国史を4区分して分担し,各種文献・史料の調査,収集に努め,同時に各個別分野の研究を進めた. 以下,4分子に回定して諸業績を概略紹介する. 1.小尾孟夫は南朝宋代における「征討都督」の任用例,任用形態を詳細に分析して,「征討都督」の役割を追究し,「証討都督」は常置的な州都督・刺史では対処できない,比較的に大規模な軍事行動が必要とされる内羅や対外戦争において,多く任命されて出動し,臨戦体制として独自な軍事体制を形成したことを明らかにした. (「劉宋における『征討都督』」)2.寺地遵は南宋政権確立期の諸政治集団の全体像を集団間の運動と闘争関係とともに詳細に検討し,秦檜集団の構成・特質・形成過程・限界を全面的に明らかにした. (『南宋初期政治史研究』)又,秦檜勢力については別に発表も行っている. (「専制期秦檜集団の構成と特質」)3.伊原弘介は「順荘法」の法制的検討を行い,同法による郷村支配の構造の諸特徴を分析し,「順荘法」による「図」区画を単位とする担税戸の編成並びに郷村支配の強化,「順荘」組識を設定させた社会的背景として「図」区画の所在田地とその所有人戸との間の隔別が大きくなっていたこと,小土地所有農民層の階層分解の下で,里甲組織が徴税の機能を十分に果さなくなっていたこと, 推収帳薄の管理や毎年の実徴額の記入等を担っていた里書の在地における勢力伸張等を明らかにした. (「清朝郷村支配の構造ー浙江省順荘法に基づいてー」)4.金子肇は〓少山追放の政治史的意義,上海ブルジョアジーと国民党の政治支配との関係に一定の見通しを与えようとした. ブルジョアジー内の自らの階級的な政治的結集を図ろうとした勢力が,国民党によって排除されたという点に〓少山の追放の重大な政治史的意義があったとする. (「上海資本家階級と国民党統治(1927ー29)ー〓少山追放の政治史的意義ー」)
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