研究課題/領域番号 |
62450051
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀井 敏夫 大阪大学, 教養部, 教授 (90025049)
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研究分担者 |
指 昭博 大阪大学, 文学部, 助手 (90196197)
南 直人 大阪大学, 文学部, 助手 (20181951)
藤本 和貴夫 大阪大学, 言語文化部, 教授 (70029734)
川北 稔 大阪大学, 文学部, 教授 (70107118)
合阪 學 大阪大学, 文学部, 教授 (50027976)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 租税国家 / 財政危機 / ペルシア帝国 / 王室経済文書 / オランダ資本 / へゲモニー国家 / フランス革命 / 債務破棄 / 都市財政 / 市政構造 |
研究概要 |
本研究の研究成果をまとめるにあたっては、過去2年間にわたる個別研究と研究会での報告・討論の蓄積に基づいて、研究代表者を中心に、各研究分担者が相互に調整を行ないつつ、報告書の作成を準備した。まず、代表者・堀井が、ヨーロッパ史における租税国家の変遷について、古代オリエントから20世紀の現代の国家財政にいたるまで通観し、そこにおける諸問題を三点(制度史としての財政史、財政危機と変革・革命の問題、財政需要の調整と経済の問題)に整理して提示した。これをうけて、各個別分野について、それぞれ最も適切と思われる研究分担者が、自らの専門知識を生かしつつ執筆にあたった。こうしてまとめあげられた別添の小冊子『ヨーロッパ史における財政と国家構造』は、本研究の成果の主要部分を発表したものである。まず、(1)「ハカーマニシュ朝ペルシア帝国の税制」(川瀬豊子)は、ハカーマニシュ(アカイメネス)朝時代のペルシア帝国の統治の基礎をなすサトラプ制の導入と、それに伴う帝国の財政改革の実態を、従来のギリシア語史料だけでなく、城砦文書と呼ばれるペルセポリス出土の王室経済文書からも解明している。(2)「オランダの金融へゲモニーと18世紀ヨーロッパの国際関係」(川北稔)は、オランダ資本の動向が18世紀ヨーロッパの国際関係、とくにイギリスの近代世界システム内でのへゲモニー国家への上昇に大きな役割を果たしたことを、財政史の視点から明らかにしている。(3)「フランス革命初期の財政問題」(堀井敏夫)は、革命の直接の引き金になった財政危機の問題から、フランス革命史研究を再検討することを試み、従来とは違ったフランス革命像を描き出している。(4)「自由都市フランクフルトの市政構造」(南直人)は、ドイツでの近代的国民国家成立の際、統合されていった都市国家の変遷を、市財政の転換という面から把えている。
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