研究概要 |
今年度の研究実績をまとめれば, 次のごとくである. 1.今年度の実施計画に基づいて, 以下の調査研究を実施した. (1)稀本零葉集の種類と所在のリストアップを行った. (2)各地の文庫, 図書館に所蔵される稀本零葉集の零葉一葉ごとの書誌調査を実施した. 所蔵者の都合により調査に着手できなかった場合もあり, 予定をすべて調査し終えたわけではないが, 存在を確認していた十九種の稀本零葉集の内, これまでに十三種を調査できた. (3)これまで調査した, 稀本零葉を複写によって収集し, 内容の研究を行った. (4)生存者からの聞取り調査は, 一部実施を先送りした. 2.以上の調査の結果, 稀本零葉集の内, 安田善之助(安田文庫主), 加賀豊三郎(加賀文庫主), 三村竹清らの蔵書家によって明治末年項に作られた「玉屑集」について, その実体をほぼ明らかにできた. 他にも, 「紙魚玉屑」「反故草子」についても, その内容が明らかになった. また, 新たに名を知り得た稀本零葉集もあり, 今後の調査研究にも新たな展望を持つことができた. 3.調査研究成果の一部として, 「反故草子前・後集」・「新編反故草子一・二・六・七」・「落葉籠」等の稀本零葉集四種の調査結果について, 「国文学研究資料館文献資料部調査研究報告」第九号に中間報告の予定である(「稀本零葉集(四種)索引稿」)
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