本研究は、パーソナル・コンピュータと市販のデータベースソフトを用いて、ポーランド語ー日本語、日本語ーポーランド語辞典を編纂する為の効率的なシステムを作成し、実際に辞書を編纂することを目的とする。本年度は3年計画の2年度として、ポ・日辞典編纂を目指し、以下の作業を行なった。 1.基本システムの改良 初年度に設計した基本データベースの改良を行なった。また、データ管理の為に、原始データベース、基本データベース、作業後データベースという3つのレベルのデータベースを設け、その間で作業の進行状況に従って適宜データの交換を行なうという全体のシステムを考えた。これは、長期にわたって大量のデータを収集する一方で、同時にその加工作業を並行して行なう場合には、どうしても必要なものである。この点については、現在印刷中の『古代ロシア研究』17に掲載予定の論文に報告した。 2.データベース入力作業 初年度に引続きデータ入力作業を続けた。但し本年度は既存のポ・ポ大型辞典、ポ・英辞典からのデータの網羅的な入力作業は時間、並びに予算の関係で困難なことが分かり、あまり行なわなかった。主として代表者個人が実際の作品、文献等からのデータ収集作業を行なった。 3.日本語訳の選定とデータベース加工作業 入力されたポーランド語データについて、適当な日本語訳語を選定し、これをデータベースに組み込む作業を続けている。これは、前記基本データベースのデータをワープロの文書ファイルに転送して必要な加工作業を行なった上で、再び作業後データベースに戻すという形で行なった。
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