研究課題/領域番号 |
62450068
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石井 修 広島大学, 法学部, 教授 (60116530)
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研究分担者 |
家田 修 広島大学, 経済学部, 助手 (20184369)
川崎 信文 広島大学, 法学部, 助教授 (60152948)
林 忠行 広島大学, 法学部, 助教授 (90156448)
岩田 賢司 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00151738)
高橋 進 広島大学, 法学部, 助教授 (30136577)
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キーワード | 冷戦 / ヨーロッパ / 政治 / 第二次世界大戦 |
研究概要 |
前年度は、米英とソ連のヨーロッパ政策、ハンガリー、チェコスロヴァキア、イタリア、フランスの戦後体制の成立と変容過程が各担当者によって報告された。 それを受けて今年度はまず、研究参加者以外の専門家に補充の報告を依頼した。中逵啓示氏には米国の東アジア政策(とくに朝鮮政策)について報告を依頼し、ヨーロッパとアジアの比較という角度から問題の検討を行なった。また安野正明氏には西ドイツの戦後の政治過程について報告してもらい、ドイツ問題をめぐる討論を行なった。 一連の個別報告が終った段階で、包括的な討論を目的とする研究会をもち、これまでの研究の整理と全体的な問題の検討を行なった。そこでは、米ソの政策転換がヨーロッパ各国に与えた影響という外的な要因を重視する立場と、ヨーロッパ各国の戦前、戦中の固有の歴史的展開といった「自立的」、「連続的」な内的要因を重視する立場の間での討論が展開された。この点については研究参加者の間での統一見解は得られず、今後の論文作成過程で個々の参加者がより詳細な実証研究をとおして、この問題を縦続して検討することになった。 また、個別の問題としては、ヨーロッパ各国の戦後史を考察するとき、その「連続性」と「非連続性」を、中央レベルでの政治過程だけでなく、地方における政治過程にも着目した検討が必要であるという指摘がなされた。さらに、国際政治の側面では、ソ連の中東欧政策、ドイツに隣接するフランス、チェコスロヴァキアの対外政策に関して、ドイツの戦後処理をめぐる問題を視野に入れた検討の重要性が確認された。 これらの討議をふまえて、各研究参加者は論文を作成する作業を開始した。
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