研究課題/領域番号 |
62450071
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 光晴 京都大学, 経済学部, 教授 (00061010)
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研究分担者 |
瀬地山 敏 京都大学, 経済学部, 教授 (30025192)
山田 浩之 京都大学, 経済学部, 教授 (10025182)
中村 哲 京都大学, 経済学部, 教授 (20025191)
池上 惇 京都大学, 経済学部, 教授 (30025184)
浅沼 萬里 京都大学, 経済学部, 教授 (70025188)
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キーワード | 企業グル-プ / 日本の環境政策 / 西洋基準史観 / 小経営 / 会計開発方法 |
研究概要 |
平成元年度における主要な研究計画として、表記の研究課題に沿って毎月の定例研究会およびシンポジウムを企画した。定例研究会はほぼ予定通り実施できたが、シンポジウムは種々の都合(とくに本学部創立70周年記念事業など)により、合計3回開催するにとどまった。第1回は上田和弘助教授による報告「日本の環境政策」、第2回は吉田和男教授による報告「マクロから見た日本経済」、第3回は高寺貞男教授による報告「簿記法の設計開発にあらわれたアジア的共通性」を中心として、それぞれシンポジウムを行った。上記の報告およびシンポジウムにおける討論記録は従来通り年度末に「現代日本経済社会研究の課題」(95ペ-ジ)として纏められ、製本配布することができた。本研究も最終年度を終えるが、これまでに研究会29回、シンポジウム11回、成果報告書3冊の実績を挙げることができた。 本年度は「国際社会と日本経済社会」を前半のテ-マとして掲げたが、アジアNIESの経済発展の裏側にある深刻な公害環境問題に日本経済がどう関わっているのかについて議論された。韓国・台湾などの今日の環境問題は急速な経済発展の結果としての歪みではあるが、そこには日本企業の直接進出の結果としてばかりでなく、たとえば台湾における日本向け養殖魚育成のための地下水汲み上げによる地盤沈下の発生など、複雑な社会現象を見いだすことができた。 又、本研究の一貫したテ-マである従来の西洋基準史観からアジア或は日本の独自的発展という複眼史観については、例えば企業会計の開発方法、或は土地所有・土地改革などの国際比較によって、アジア的共通性とアジアの中での日本の独自性を検討するなど、単なる構想の段階から次第に具体的な作業段階に入ってきたといえる。
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