研究課題/領域番号 |
62450072
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
筑井 甚吉 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (00029919)
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研究分担者 |
佐藤 英人 大阪大学, 社会経済研究所, 助教授 (20114085)
吉川 洋 大阪大学, 社会経済研究所東京大学経済学部, 助教授 (30158414)
伴 金美 大阪大学, 経済学部, 助教授 (30027578)
鬼木 甫 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (40107107)
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キーワード | 経済判断 / 景気判断 / 定性データ / エキスパート・システム / 人工知能 / 帰納推論 / 統計手法 / 数量化2類 |
研究概要 |
1.判断知識の定式化手法の検討 エキスパート・システムを構築する際、インタビューにより知識抽出を行うのが一般的であるが、経済判断の場合、この方法では1時点の判断知識しか得られず、非効率である。これに替る方法として、定性データを伴う判断事例の集りから、判断ルールを自動抽出することが考えられる。この方法には、統計的方法を用いる数量化2類と、人工知能分野で研究されている帰納推論の2種のものがある。我々は、これらの前提を見直し、それぞれの手法が適用できるデータに違いがあることを明らかにし、これまでのようにそれぞれを独立に使用することは誤りであることを論証した。その上で、両手法を統合化する方向の検討を行った。 2.帰納推論を応用した景気判断ルールの定式化 前年度整理した経済定性データの時系列に対し、前項で述べた帰納推論の手法を適用し、景気判断のルールの自動定式化を試みた。手法の機械的な適用のみでは、正しいルールの導出は行えない。しかし、景気後退と景気回復の2局面にデータを分割してルール導出を行い、明確な誤りはそれを計算機に教えることで、ほぼ満足のいくルールを導出することができた。このことは、経済判断ルールの同定における、帰納推論の有効性を例証するものである。また、状況によってデータを分ける必要があったことは、エキスパートが状況に応じて使用するルールを使い分けるという我々の仮説に対するものである。追加する必要のあった経済学的正当性の判断知識の知識ベース化の問題は今後の課題である。
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