研究課題/領域番号 |
62450073
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研究機関 | 下関市立大学 |
研究代表者 |
堀内 隆治 下関市立大学, 経済学部 (30094717)
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研究分担者 |
広吉 勝治 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (50199139)
吉津 直樹 下関市立大学, 経済学部, 助教授 (10115652)
山本 興治 下関市立大学, 経済学部, 教授 (00094722)
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キーワード | 下関造船業の再編 / 下関造船離職者の再就職動向 |
研究概要 |
本研究は下関造船業の再編過程の追跡を通じて、構造不況下の地域経済の動向をさぐろうとするものである。ために、昨年度に「下関市造船関連産業実態調査」と「造船・関連企業難職者動向調査」の2つの実態調査を行い、本年度はその中間的分析(調査のまとめ)を行った。 「産業実態調査」によっては、下関造船業の下請企業の構造と動向の解明が企図され、構内下請と修理業に業種的ウェイトが高く、市内造船所への高い依存度の下、一社専属性が強い下請構造が明らかになった。 この構造の結果、中核造船所の8割にも及ぶ設備削減の影響を大幅に受け、売上高の減、業界内の過当競争、「造船離れ」の下での経営多角化の動向が浮き彫りにされた。「造船離れ」の下で造船再編の波を回避し、売上を向上させた企業群もあり、下関地域の機械工業としての基盤強化が今後の課題として導き出された。(堀内論文) 「造船・関連企業離職者動向調査」によっては、離職後の再就職の厳しさ、再就職条件の低下、大企業から中小企業、社外工への下降移動、大手HZ社とその他下請の再就職条件の格差が明らかにされ、「資本処理の下での労働力処分」とでもいいうる事態が進行していることが示された。 この状況下で、職安行政や職訓にも多大の期待がよせられているが、現実の政策は十分に応答しているとはいいがたく、労働市場ミスマッチは深く、今後「人生80年」に見合った職業サイクルのあり方が課題である。(山本論文) 更に、このような下関造船業の実態を全国的に位置づけると、下関は「従業員数は分散しているが比較的造船所数が多い」グループに類型化され、静清、大井川地区とほぼ同一状況にあり、今後の比較検討が課題である。(吉津論文)
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