研究概要 |
政府規制が企業行動に与える影響に関して, 研究代表者は主として企業の組織構造および意思決定に対する政府規制の影響をとりあげ分析している. この場合, 研究の理論的基礎に関連する大献資料および各国の実情に関する分析資料等の収集が前提となる. 政府規制が企業の行動に与えているマイナスの影響のみでなく, プラスの効果に関する意見をも重視し, 規制に関する諸見解を整理した. 研究分担者竹内一樹は, 企業の生産, 立地等に対する政府規制の影響を分担し, 産業別には自動車および石油産業における規制についてアメリカおよびイギリスの比較分析を行った. 研究分担者今福愛志は, 会計規制に関する日本, アメリカ, イギリス, ドイツの大献を参考にしつつ理論面の検討をおこなった. その際, 個々の企業が会計規制をどのように受けとめているかを中心に検討した. 研究分担者田中健二は, 企業の内部取引その他, 取引面に対する政府規制の影響を研究し, とりわけオフバランスシート取引, 有価証券含み益, 貸倒引当金をとりあげ批判的な吟味をおこなった. 研究分担者菱沼信は, 企業の雇用政策, 設備投資に対する政府規制の影響をとりあげ, とくに多国籍企業がこれらの領域のどのような規制に直面しているかを主として検討した. 上記の各研究分担者および代表者は, これらの研究成果の一部を研究会報告, 学術雑誌の論文, 学会報告等の形ですでに発表または, 発表を予定しており, 研究計画は, 次年度まで継続して進められることになっている.
|