本研究は、全体として次の二点を明らかにすることを目的としていた。 1.従前の西欧都市計画モデル論を否定し、西欧都市計画も、特殊西欧的な社会条件、歴史的条件の下で成立したものであることを明らかにし、西欧近代都市計画を「相対化」すること。 2.その上に、日本を含めた東アジアに固有の新しい都市計画像を打ちたてること。 今年度は、三年間にわたる総括の都市であり、「非西欧型都市計画像とは一体何か」を明らかにしようと努めた。研究は個別ケ-ス・スタディをさらに深めること、全体を総括する論文を書くこと、の二部構成であった。 1.個別ケ-ス・スタディ (1)アジアにおける面的整備手法 (2)Asian Context of Land Readjustment (3)高蔵寺ニュ-タウンの変容 の三個個別研究を行い、(1)では、日本の区画整理を幅広く、アジアの類似手法との関連で位置づけ、(2)では、バンコクにおける区画整理の技術移転のために区画整理の概念整理に努め、(3)では、日本型ニュ-タウン像を検討した。 2.総括論文 三年間のまとめとして、「公の都市計画」「協同の都市計画」をキ-ワ-ドに、各国都市計画を位置づけた「日本を基軸に世界都市計画の構図を描く」という論文を書いた。
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