| 研究課題/領域番号 |
62450086
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| 研究機関 | 山口大学 |
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研究代表者 |
三浦 肇 山口大学, 教育学部, 教授 (00034794)
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| 研究分担者 |
堀 信行 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40087143)
堂面 春雄 山口大学, 教育学部, 教授 (60034782)
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| キーワード | カルスト地形 / 蛇行カレン / 石灰岩ペイブメント / 鐘乳石の成長輪 / 気候変遷の復元 / LLMZA / ESR年代法 |
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| 研究概要 |
秋吉台・平尾台の温帯カルストと沖縄諸島の亜熱帯カルストの比較地形学的観点からの継続研究の結果、新しい知見と問題の展開を見た。
(1) 平尾台において、新しく蛇行カレン(日本には稀な例)と石灰岩ペイブメントの存在が確認された。ヨ-ロッパ温帯カルストにおけるものとの比較によって、その成因・形態の特徴が明らかになった。秋吉台にも限られた場所に蛇行カレンが形成されていることも発見された。また結晶質石灰岩の平尾台の円頂型カレンについての成因を精査した結果、石灰岩表面下数cmに層状に生息する藻類が発見され、これによる剥離風化が進行しているためであり、従来の定説とは異なったバイオカルストの観点から新しい研究対象となることがわかった。(この結果は1989年日本地理学会で発表した)
(2) 前年度新しい展開をみた鐘乳石の成長輪の年代分析によって、第四紀後期の気候変遷の復元が可能であることを示した(これはブダペストおよびフランクフルトの国際学会で報告した)が、さらにLLMZA(Laser Luminescence Mycro Zonal Analysis)によって、鐘乳石の成長輪の詳細な成長線の分析ができ、過去10^2〜10^4間の気候変化が推定できることがわかってきた。すなわちLLMZAから得られたスペクトラムのカ-ブを統計的に処理することによって、鐘乳石の成長速度が求められ、これが気候変化と対応関係にあることが明らかになってきた。(この研究にはソフィア大学のショポフ博士の国際協力を得た)鐘乳石年長輪の形成時期についてはESR年代法およびU-Th年代法によって精度を高める研究を進めている。こうして、溶食作用にもとづくカルスト地形の地域差は気候地形的特性をもつから、気候変遷と鐘乳石の成長輪の関係、石灰洞の形成と鐘乳石の成長過程、石灰洞の形成とカルスト地表地形の関係などを明らかにする基礎研究が開拓可能になりつつある。
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