研究概要 |
最近, 音声付き静止画再生装置(CDーROM等)の開発研究が進み, 教育的利用の可能性が高まり, 優れたCAI教材の作成が期待されている. これまでのCAIの開発研究では, その殆どが教材プログラムを作成することを急務とするあまり, 基礎となる学習内容の構造や学習方法の諸条件について十分に配慮が行き届かず, 単純な「刺激ー反応ー強化」の原理を応用したものが多く, 開発研究に資する基礎的な知見が決して十分にあるとは言えないのが現状であった. そこで, この研究は, 外国語教育CAIコースウェアの開発を視野に入れ, 学習課題, 内容, 方法等と学習者の諸条件の交互作用を明らかにすること, また, 異なった画像が学習に及ぼす影響についても知見を得ること, さらに, 上級者用外国語教育CAIコースウェアを開発し, 「学習者コントロール」の可能なプログラムを作成するのための方策を探求することを目的として, 本年度(初年度)は5つのテーマで研究を行った. 一部は教育工学会第3回大会, および, 日本視聴覚教育学会第24回大会において発表し, 学会誌「視聴覚教育研究」にも掲載が予定されている. 1 読解力向上用CAIによる完全習得学習に関する開発研究ーー語彙の学習における辞書引き行動と学習所要時間ーー 2 適応型ドリル・プラクテイス・プログラムに関する研究ーー日本語擬態語学習の場合ーー 3 外国語学習における画像の効果についてーー英語の前置詞の学習における文字と文字画像併用との比較効果についてーー 4 外国語教授における適性処遇交互作用に関する実証的研究 5 日本語教育における聴解練習と発話練習の順序性に関する研究 なお, 高校英語および留学生用日本語教材に課題を求め, 継続して開発研究を行っている.
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