中学1・2年生男女計1150名についてQuestionnaireにより調査した。(1)最も多い愁訴は、男女ともあくびが出る、偏食がある、疲れやすい、これが三大愁訴群をなす。(2)男女の性差は中・下位群の肩こり(女・優位)、せき(男・優位)などに現れた。(3)運動・学習・睡眠時間などの連続値をAICにより区分化し、生活時間の条件と各愁訴間のX^2検定を行った。a)男子においては0.1%レベルで腹痛とTV、夜ふかしと不眠、手伝いと胃痛、夜ふかしと目の疲れなどに相関が認められた。(計18項目)。b)これに対し女子ではその相関の値がほぼ全面的に低く、0.1%相関はラジオ・イライラのみ、1%レベルでも夜ふかしと頭痛など計7項目にすぎなかった。しかもその相関の項目は男女間において大きな相違がみられた。(4)X^2検定において1%レベル以上の相関度の高いものについて分割表によってその正・負の方向性について検討した結果、生活条件の悪いもの(夜ふかし、朝めしぬき、深夜ラジオ、TVの見すぎ、朝寝など)と各種愁訴はほとんど正の相関を示した。(5)以上により食の乱れは生活全般の乱れ現象の一環にあり、それが多様の不定愁訴の重要な原因と背景になっている。(6)以上のことは高校、大学生についても幾分の特有性は認められるもののほぼ同様の傾向を示す。(7)食の乱れの特に強いものについて面積説得を行ない、その改善をみたものが少なくない(46%)。(8)栄養摂取のアンバランスの大きいものに臨床血液検査を行なったが、少数の経度貧血のほか特に注意を要する異常は認めなられなかつた。(9)学徒の愁訴にはかなり定常性のあるものと、不定性のものがある。前者には、だるい頭がおもい、ねむい、考えがまとまらないなどがあり後者には、目がつかれる、あくびがでる、気がちる、根気がなくなる、肩がこるなどがある。これらの流動性の大きいものは概して午後に高く疲労性要因とも相関が推察される(以上愁訴の日内変動)。
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