研究分担者 |
小林 俊行 東京大学, 理学部, 助手
加藤 和也 東京大学, 理学部, 助教授 (90111450)
川又 雄二郎 東京大学, 理学部, 助教授 (90126037)
木村 俊房 東京大学, 理学部, 教授 (50011466)
伊原 康隆 東京大学, 理学部, 教授 (70011484)
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研究概要 |
大島は,半単純対称空間のコンパクト化を構成し,不変微分作用素の同時固有空間に対し境界値写像を構成し,主系列表現を定義した. さらに,半単純対称空間上に実現される表現の境界での漸近挙動から,主系列表現への極大埋め込みを研究した. 今後は,表現の極大とは限らない主系列表現への埋め込みを構成する計画である. 小林は,半単純対称空間のベクトル束に値を持つ離散系列表現を研究し,いくつかの興味あるユニタリ表現を構成した. さらにこの研究に関連し,等質リーマン多様体の点スペクトルに関する砂田の予想の反例を得た. 寺田は,零ウェイト空間上のワイル群の表現を,計算機を用いて計算し,あるplethymの分解係数のいくつかを求めた. また一般の半単純リー群の表現が,ある函数の空間に表現されているとき,それがユニタリ化可能ならば,函数に対しある種の有界性が従うことを,大島等は証明した. 伊原は,有理数体上の絶対ガロア群の,射影直線から有限個の点を除いたものの代数的基本群への表現を研究し,組み系群の自由群への作用から生じる表現の研究と類似の手法を用いることにより,整数論におけるいろいろな基本量のユニバーサル・インタポーレーションや,円単数の拡張の発見が得られた. 加藤は,Serreの正則局所環のArtin指標の存在の予想を,2次元の場合に解決した. 川又は,3次元標準特異点上のヴェイユ因子に付隨した環の層が有限生成であることを示し,これを使って標準特異点上の標準因子が数値的零であるような部分的特異点解消の分類を行った. この研究からさらに,ある条件の下での3次元極小モデルの存在を証明した. 一方,名大の森氏は,この条件が常に成立することを示したので,3次元の極小モデルの存在定理の証明は完結した. 木村は,D^2からD^2へのある多項式写像に関して,FatouーBieberbach領域の研究を行った.
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