研究課題/領域番号 |
62460004
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大島 利雄 東京大学, 理学部, 教授 (50011721)
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研究分担者 |
小林 俊行 東京大学, 理学部, 助手 (80201490)
戸瀬 信之 東京大学, 理学部, 助手 (00183492)
片岡 清臣 東京大学, 理学部, 助教授 (60107688)
伊原 康隆 東京大学, 理学部, 教授 (70011484)
服部 晶夫 東京大学, 理学部, 教授 (80011469)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 対称空間 / 等質空間 / 調和解析 / ユニタリ表現 / リー群 / 境界値 / 代数解析 |
研究概要 |
1.研究課題名のテーマの下に、1988年1月東大でシンポジウムを、1987年8月および1988年8月、職業訓練大学校でサマーセミナーを行ない、研究の成果と今後の発展を討論した。 2.研究代表者は半単純対称空間上の調和解析の基礎となるいくつかの結果を発表した。それらは、半単純対称空間のコンパクト多様体への実現、それを用いた不変微分方程式系の解の境界値写像の構成と主系列表現の導入、さらに解の無限遠での漸近挙動が幾何的条件で簡単に特徴づけられる事等である。上記の結果は半単純対称空間上の調和解析の目標であるプランシェレルの定理に主要な役割を有し、その手法によって、ユニタリ化可能なリー群の表現が等質空間上に実現されていればある種の有界性が要請される等、いくつかの結果が得られた。 3.小林は、半単純対称空間を広げたクラスの等質空間上に実現されるユニタリ表現を考察した。特にリーマン計量を持つ時のラプラシアンのスペクトラムを求め、名大の砂田氏の予想の反例を与えた。また簡約型等質空間の幾つかの系列に一様格子が存在する事を証明した。 4.服部は、S^1作用のある概複素多様体上の線型束に対して"正値"なる概念を導入し、小平型消滅定理を次元の低い場合に証明した。 5.増田は、反応・拡散系の非線型放物型偏微分方程式系に安定な周期解が存在する事を、成分が高次元の場合に証明した。 6.伊原は、有理数体上の絶対ガロア群に対し、代数多様体の基本群の種々の完備化への自然な作用を考察した。この作用からガロア群の十分一般な非アーベル的表現が得られる事を解明しつつあり、さらに整数論へのいくつかの応用を見出した。 7.片岡と戸瀬は、Sjostrandによるマイクロ双曲型境界値問題に対する超局所的解析性伝播の理論を、解の存在定理まで含めた形で拡張した。
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