研究分担者 |
谷口 説男 九州大学, 工学部, 講師 (70155208)
渡辺 寿夫 九州大学, 工学部, 教授 (40037677)
国田 寛 九州大学, 工学部, 教授 (30022552)
西野 利雄 九州大学, 工学部, 教授 (30025259)
川島 秀一 九州大学, 工学部, 助教授 (70144631)
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研究概要 |
今年度の成果としては, 準線型双曲型保存系の弱解の幾何光学近似についての一つの定式化を得たことが著しい, 以下, その概要, 従前の研究との関連について述べる. (1)弱解の漸近性を漸近パラメーターと相関数とを含むような試料関数の族によって把握した(これが要点である). (2)漸近解はなめらかな解の一種の摂動として解釈できる場合とし, 摂動の大きさを漸近パラメーターとし, 試料関数の相関数を指定するたびに, 摂動項から相関数の零超曲面上の葉層の断面が求まるとして, これの決定によって漸近展開を求めた. (3)特性相関数の揚合は, 上記葉層の断面は葉のパラメーターS,時間パラメーターtを含む平面内の保存側をみたす. (4)相関数が非特性的の場合は, 葉層の断面に対し2種の線型方程式が導かれ, 初期層が観察される. (5)一般化されたエントロピー条件を想定した場合, 特性相関数の場合の葉層の断面に対するs,t平面内の保存則に対するエントロピー条件が導かれる. 従前, なめらかな強解に対する漸近展開の形式的な研究が保存系の制限なしに行なわれ, ほぼ(3)相当の結果が得られていたが, 保存則の解は一般になめらかではないから斉合性に難があった. 保存系の場合本研究で解決された. 低次元の場合には視点を異にする漸近展開が知られており, 本研究との比較検討は今後の課題である. また, 本研究は一定の条件をみたす弱解の存在を前提としており, この前提の検討も課題である. (4)(5)の結果は新しいと思われる.
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