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1988 年度 実績報告書

確率モデルの数学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62460007
研究機関京都大学

研究代表者

渡辺 信三  京都大学, 理学部, 教授 (90025297)

研究分担者 谷口 雅彦  京都大学, 理学部, 助教授 (50108974)
西田 孝明  京都大学, 理学部, 教授 (70026110)
楠 幸男  京都大学, 理学部, 教授 (90025221)
平井 武  京都大学, 理学部, 教授 (70025310)
池部 晃生  京都大学, 理学部, 教授 (00025280)
キーワード確率解析 / Wiener空間上の解析学(Malliavin解析) / 熱方程式の基本解の漸近理論 / 超リー代数 / Duffing方程式 / 周期解 / 双曲的変換 / 離散部分群
研究概要

確率解析の基礎理論として前年に引き続き、Wiener空間上の解析学(Malliavin解析)を研究した。本年度はパラメータに依存するMalliavin解析において、パラメータ空間が有限側度空間にな場合を考察し、従来の理論をこの場合にうまく適応するように修正することが出来た。この応用として境界のある領域や多様体での、ある境界条件に対応する熱方程式の基本解の場合にも、Wiener汎関数積分を用いてその漸近展開を計算することが可能になり、その応用の一つとして境界のある多様体でのGauss-Bonnet-Chernの定理の確率論的証明が得られた。
さらにMalliavin解析の応用として、退化した熱方程式の基本解の漸近挙動を確率論的方法で研究した。非対角部の問題に関しては、2点の極がcut-locusの位置にないときは一般論が出来ているが、2点がcut-locusにある場合で、特に2点を結ぶ最小作用の曲線が一意的でなく曲線族をなし、さらにこれが良好な多様体となっているときに、この漸近展開を確率論的に計算する一般的な処方箋を開発した。この方法を具体的なべき零リー群上のBrown運動に対応する基本解(推移確率密度)の場合に適用して有効な方法であることを確認した。
リー群・リー代数・超リー代数の表現に関する研究では、超リー代数の既約ユニタリ表現をその偶部分と呼ばれる通常の部分リー代数の表現からの拡張として構成するための一般的手法を確立することが出来、この方法によっていくつかの基本的場合に良好な研究成果が得られた。
Duffing方程式の周期解の存在に関し新しい知見が得られた。計算機を用い、区間演算と誤差評価によって周期解が複数個存在することの証明に成功した。
双曲型変換の離散部分群に関し、興味ある知見が得られた。関数論とエルゴード理論を結ぶ成果である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shinzo,Watanabe: Lecture Notes in Mathematics Proc.5-th Japan-USSR Symp.(ed.S.Watanabe,Yu.V.Prokhorov). 1299. 541-548 (1988)

  • [文献書誌] Hideaki,Uemura,Shinzo,Watanabe: Lecture Notes in Mathematics Proc.French-Japanese Seminar(ed.M.Metivier,S.Watanabe). 1322. 173-197 (1988)

  • [文献書誌] Hirotoshi,Furutsu,Takeshi,Hirai: J.Math.Kyoto Univ.28. 695-749 (1988)

  • [文献書誌] Masaya,Yamaguchi,Takaaki,Nishida,Hideaki,Yoshihara: RIMS Kokyuroku. 673. 80-95 (1988)

  • [文献書誌] Akitaka,Matsumura,Takaaki,Nishida: Recent Topics in Nonlinear PDE IV. (1989)

  • [文献書誌] Masahiko,Taniguchi: Ergod.Th.& Dynam.Sys.8. 633-636 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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