研究課題/領域番号 |
62460013
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
新井 栄一 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (50016846)
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研究分担者 |
小栗 慶之 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90160829)
服部 俊幸 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (50134648)
小川 雅生 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究所, 助教授 (60016863)
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キーワード | 重イオンTOF測定 / 蒸発残留核の質量分布測定 / 軽い重イオンの完全核融合 |
研究概要 |
実験装置のうちの真空チェンバー、ターゲット、飛行時間粒子エネルギーの検出器系統、データ処理装置など主にハードウェアー部分の製作調整試験は昨年度で終わらせているのて、本年度は当初より、2.4〜3.1Mer/u間のエネルギー数点において重イオン(主に^<16>O)を使って反応生成粒子を測定した。この入射エネルギーは生成複合核のAが40位の領域ではクーロン障壁を超えるに充分な値である(B_C【.Itoreq.】E_<CM>【.Itoreq.】2B_C)。飛行距離は70cm、検出角度は5゜〜11゜である。測定法とデータ解析法の妥当性を調べるためのターゲットとしては、^<12>C、^<19>F、^<27>Alなどを使い、すでに測定例が公表されている反応から実験を始めた。まず第1に我々が解決すべきは飛行時間と粒子エネルギーの2次元データから、生成粒子のエネルギースペクトルを質量別に求めるためのプレーバックのソフトウェアーの問題であった。ここでは測定粒子のエネルギーが5〜40Mev比較的低いため、SSDのパルス波高欠損(PHD)の効果が大きく、実験から得られる生データを処理するためのプロセスが大変微妙になる。データ処理はPC9801UX-2をベースにラボラトリーエクイプメントのAMS-100Dシステムを使っている。ソフトがFORTANで書かれていたので、計数率の上限が低かったが1988年末よりC言語によるソフトが提供され、収集能力は3倍向上した。測定結果はCASCADEプログラムを用いての理論計算と比較した。このプログラムは過去10数年来、広く利用されており特に本研究のエネルギー、質量領域での実験値との一致度は大変良いことが知られているので、初歩的総合チェックとしてこれを採用した。CASCADEの従来からあるバージョンでは質量別の粒子エネルギーがディスプレーできないので、モンテカルロ計算の入ったバージョンを使ったが、このプログラム自身に多少エラーがあるらしく、現在までのところ実験値との一致は必ずしも良くない。
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