研究課題/領域番号 |
62460014
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三宅 弘三 京都大学, 理学部, 教授 (60025260)
|
研究分担者 |
谷口 敬 高エネルギー物理研究所, 物理, 助手 (60163630)
今井 憲一 京都大学, 理学部, 助教授 (70025493)
笹尾 登 京都大学, 理学部, 助手 (10115850)
|
キーワード | 大強度陽子加速器 / 高速度チェンバー / ファーストガス / 高速シフトレジスター / 高性能プリアンプ |
研究概要 |
本研究の目的は高エネルギー素粒子実験に於ける最も基本的な2つの検出器、即ちチェンバーと光電子増倍管を対象とし、それらのビーム強度に対する性能(検出器のスピード)を改良する事にある。又検出器と表裏一体をなす読み出し系の改良も目的とする。ワイヤーチェンバーの方に関しては、(1)ひき続き電子のドリフト速度の測定を行なった、(2)これと同時に正イオン・モビリティの測定を行った、(3)低ノイズ高ゲインプリアンプの開発を行った、(4)パルス・シェイピング回路の開発を行った、(5)デッドタイムのないTDCシステムの開発を行った。また光電子増倍管に関しては、(6)出力パルスリニアリティの試験装置を開発している、(7)大強度ビームに強い光電子増倍管用ベースを開発し性能試験をした。また総合性能試験のため実際小型ドリフトチェンバーを製作しビームテストを行った。 特に注目すべき結果は以下の通りである。(1)に関しては、アルゴン+炭化水素ガス+四-沸化炭素の混合ガスに対しても、ドリフト速度が10cm/μsecを越えるものが存在する事が判明した。(2)に関しては、四-沸化炭素ガス中でのモビリティは、アルゴン中のそれより小さい事で判明した。この事は大強度ビーム用のドリフトチェンバーガスとしては、好ましくない事を示している。しかし混入量を少なくし、ゲインを下げれば、いわゆる空間電荷の影響は小さくなる。(3)に関しては、実際のチェンバーの出力に対しても動作する事を確認した。また、(5)に関しては、サンプル段階でのICが正常に動作する事を確認した。その他の点については、現在測定が続行中であり、別途詳細に報告する。
|