研究概要 |
本年度中に実施された主要な研究は、以下の通りである。 1.データ処理システムの整備 昨年度ほぼ基本的なシステムを開発したカマック、パソコンによる偏極データ取得、処理系は、今年度ソフトの整備が進められ、偏極ビーム検出量系のモニタリング、確認など即時に行われるようになった。 2.(d,p)反応偏極移行量の測定については、昨年度の^<52>Cr(d,p)、^<28>Si(d,p)反応に続いて、今年度は^<12>C(d,p)^<13>C(gr.st.)、^<12>C(d,P)^<13>C(1st.st.,),^<40>Ca(d,p)^<41>Ca(gr.st.),^<90>Zr(d,p)^<91>Zr(gr.st.),^<90>Zr(d,p)^<91>Zr(1st.1st.)と典型的な反応過程についての体系的な測定が進められた。観測された量は、偏極分析能と偏極移行量(P_y,K^y_y,K^y_<xz>,K^y_<xx>ーK^y_<yy>,K^y_<yy>等)である。実験は、まだ進行中の部分も含まれているが、これらの新しい情報に基づく理論的な解析が進められている。 3.理論コードについては、従来のDWUCK5に加えてDDTP、TWOFNR等の理論コードを用いてテンソル相互作用の効果が解析できるようになった。 4.(d,p)反応からの陽子偏極のx成分を測定可能にするための装置の改造については、ビーム光学的計算を進め基本的な設計を終わり、偏向電磁石中で用いる真空槽を購入した。
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