研究課題/領域番号 |
62460020
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
柴田 清孝 岩手大学, 工学部, 助手 (40187399)
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研究分担者 |
森田 章 東北大学, 名誉教授 (20004228)
馬場 守 岩手大学, 工学部, 助教授 (20111239)
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キーワード | 半導体物性 / 磁気抵抗効果 / 2次元アンダーソン局在 / 不純物帯伝導 / 半導体のバンド構造 / 擬ポテンシャルによるバンド計算 / 半導体の電子-格子振動相互作用 |
研究概要 |
1.前年度に開発した全閉管型Biフラックス法で黒リン針状結晶を作成し、そのモルフォロジーを光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて詳細に観測した。また、薄膜状結晶を用いて黒リンの紫外可視域の偏光吸収測定を行い、理論的予測とほぼ一致する結果を得た。 2.キャラクタリゼーションの明確になされた黒リン単結晶について、電気伝導度の温度依存性(σ)および磁気抵抗効果(Δσ)の詳細な測定を行った。その結果、低温でのσの温度変化がlogTに比例しかつΔσがlogHに比例することが観測され、前年度の測定結果と一致する再現性のあるデータを得たことで、このような低温における輸送現象の異常が黒リン針状結晶に本質的な特性であることが明かとなった。また、今年度新たに、磁気抵抗の角度依存性を測定し、H〓ac面(層垂直磁場)でΔσが最大、H//ac面でΔσが最小となる顕著な異方性を観測した。さらに、ΔσのlogEに比例する電界依存性も見いだされた。これらの諸現象は、二次元性の強いアンダーソン局在が起こっていることを裏付けるものである。 3.黒リンの電子・格子相互作用定数をより正確に決定する必要からバンド計算を行い、その結果より加圧下でのTAyモードフォノンの振動数および結晶構造パラメータを算出した。また、実験で観測された二次元アンダーソン局在的な挙動は、表面反転層の不純物伝導により生ずるものと考えられ、その理論モデルの構築を行った。
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