研究分担者 |
松井 尚之 名古屋大学, 工学部, 助手 (00023185)
佐藤 憲昭 名古屋大学, 教養部, 助手 (30170773)
馬宮 孝好 名古屋大学, 理学部, 助教授 (20022600)
岩橋 克聡 名古屋大学, 理学部, 助手 (40022602)
紺谷 雅昭 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90022623)
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研究概要 |
本年度は研究遂行のために購入した低温X線回折機器および帯磁率精密測定用電気天秤を設置調正し, 現在両機器ともに順調に作動している. この他低温比熱測定,NMR測定,超伝導磁石による強磁場磁化測定ならびに電気伝導測定などの諸設備を準備した. これらの諸装置を用いテストとしてまず前年度から継続しているCe_5S_3やCe_2Zn_<17>およびFeーPd合金の構造・磁性・伝導・比熱などの測定を行い, これらの結果を関係学術誌の発表した(11・研究発表の項参照). 主題であるUA_3についてはまず試料作製から始め, 工学部のホットラボで教度の試行後成功した. X線回折によってこの構造はTiCu_3型であることが我々によって始めて決定された. つぎに低温および高温比熱を測定し, 低温比熱のデータを整理した結果,その電子比熱保数は300mJ/K^2で大きく重フェルミオン物質であることが見出された. 電気抵抗の測定によると,約20Kで極大を示し高密度近藤効果が顕著に現われる. そして比熱や帯磁率の測定からこの物質は約10Kに転移温度を持つ反強磁性体であると結論された. そしてOKからの低温比熱はT^2ではじまり,2次元反強磁性体である可能性も見出された. 更に強磁場磁化測定によって,20K以下でメタ磁性的な磁化挙動を示すことがわかった. これらの結果は11・研究発表に示させるように本年7月のフランクフルトの国際会議で発表される. 今後の研究としては (1)中性子回折によって反強磁性スピン構造を決定する. (2)単結晶を作製して,伝導や磁性の異方性を調べる. (3)置換系U(Au_<1-x>Mx)_3;M=Pt,Hg,Tlなどを作製して電子密度の変化に対する構造と物性の変化を組織的に調べる. などが予定されている.
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