研究課題/領域番号 |
62460028
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安達 健五 名古屋大学, 理学部, 教授 (40022991)
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研究分担者 |
松井 尚之 名古屋大学, 工学部, 助手 (00023185)
佐藤 憲昭 名古屋大学, 教養部, 助手 (30170773)
馬宮 孝好 名古屋大学, 理学部, 助教授 (20022600)
岩橋 克聡 名古屋大学, 理学部, 助手 (40022602)
紺谷 雅昭 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90022623)
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キーワード | ウラン / 金 / 化合物 / 安定相 / 準安定相 / 重フエルミオン / 高濃度近藤 / 反強磁性 |
研究概要 |
昨年度は主として液相からの急冷によって得られたCu_3Ti型のUAu_3の構造と物性を調べたが本年度は急冷試料のアニールによって得られる安定相のAg_3Pu型のUAu_3について研究した。 急冷試料の種々のアニールの結果、750℃で20時間で殆ど完全なAg_3Pu型に転移することがX線回折によって確められた。電気抵抗の測定の結果、降温によって約80Kにブロードな極大を示し、40Kから急に抵抗が減少しはじめる。即ち高濃度近藤効果的振舞を示す。 低温比熱の測定の結果、約23Kに異常が見られ、これは以下の磁気測定の結果を参照して反強磁性ネール温度であることが明らかになった。低温側の電子比熱係数は1.05mJ/K^2mole、ネール点以上からの外挿値として800mJ/K^2moleに達し、重フエルミオン系であることが確認された。 帯磁率は22Kで極大を示し、反強磁性とみなされる。ネール点以上の逆帯磁率から有効磁子数3μ_Bと常磁性キユリー点ー98Kが得られ、高温では5f電子が局在していると理解される。磁化測定の結果この物質はネール点以下で弱強磁性を伴い、OKの残留磁気モーメントは約0.06μ_Bで、そのキユリー点はネール点と一致する。つまり反強磁性に寄生した弱強磁性を示すことが見出された。 以上によってAg_3Pu型のUAu_3はCu_3Ti型のそれと同じように、高濃度近藤効果、重フエルミオン効果を示し、低温では反強磁性と弱強磁性が共存する物質であることが明らかにされた。 更に他のU化合物、U_2Au_3およびUPd_4の測定も試されている。
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