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1987 年度 実績報告書

超低温における重いフェルミオン超伝導体のNMRによる研究

研究課題

研究課題/領域番号 62460030
研究機関大阪大学

研究代表者

朝山 邦輔  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029416)

研究分担者 小田 祺景  大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (50029526)
小堀 洋  大阪大学, 基礎工学部, 助手 (10153660)
北岡 良雄  大阪大学, 基礎工学部, 助手 (70110707)
キーワードNMR / 重いフェルミオン / 超伝導
研究概要

^3Heー^4He希釈冷凍機の混合器のNMR試料挿入部をエポキシ樹脂づつくりその中にNMR信号観測用のrfコイルを埋めこむ方法を開発した. その結果NMR信号のSN比が大巾に向上し, 超低温領域での精度の良い測定が, 可能になった. 次に熱交換機の改造による冷却能力の向上は一部達成されたが未だ終っていない. これらの装置を用いて次の結果を得た.
(1)Ce Cu.ナ_<2.ニ> Si.ナ_<2.ニ> この系のSiおよびCuのナイトンフトをTc以下60mKまで測定したの結果超伝導でのスピン帯磁率が常伝導の50%以下まで減少することを確認した. このことはクーパー対の性質かスピン一重項であることを意味する. すでに測られたスピン格子緩和率T.ナ_<1.ニ>^<-1>が低温でT^3に比例することと合わせてこの系の超伝導はBCSS波でなく異方的ギャップをもつd波超伝導であるといえる.
(2)UPt.ナ_<3.ニ> Tc以下50mKまでのPtのナイトシフトの測定により, 帯磁率の結晶軸に対する垂直,水平両成分いずれも常伝導から変化しない事がわかった. この事はクーパー対がスピン三重項づある可能性が高い. 一方T.ナ_<1.ニ>^<-1>がTc以下100mKまで測られた. T.ナ_<1.ニ>^<-1>は通常のS波BCS超伝導と異なりTc直下急激に減少し, 低温でT^3に比例する. この場合もエネルギーギャップが異方的で Δ(θ)=Δ.ナ_<0.ニ>COSΘ Δ.ナ_<0.ニ>=5.3にTc を仮定すると計算値は実験価に良く合う. 以上の結果はどちらの系も同じ位置での電子間の圧力が強いことを意味し, 超伝導をつくる引力の超源が格子振動でなく, スピンのゆろぎによるという可能性を示唆するものである.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 北岡良雄 他: Japanese Journal of Applied Physics. Suppl.26-3. 1221-1222 (1987)

  • [文献書誌] 小堀洋 他: Japanese Journal of Applied Physcs. Suppl.26-3. 1239-1240 (1987)

  • [文献書誌] 小堀洋 他: Journal of the Physical Society of Japan. Vol.52,No.2. 395-397 (1988)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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