研究課題/領域番号 |
62460035
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平井 章 京都大学, 理学部, 助教授 (70025287)
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研究分担者 |
坪田 誠 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (10197759)
大見 哲巨 京都大学, 理学部, 助教授 (70025435)
恒藤 敏彦 京都大学, 理学部, 教授 (30025275)
水崎 隆雄 京都大学, 理学部, 講師 (20025448)
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キーワード | 固体ヘリウム-3 / 超低温 / NMR / 核スピン秩序相 / 反強磁性共鳴緩和 / 多マグノン過程 / 超伝導マグネット |
研究概要 |
1.1mK以下の超低温度、約35気圧の融解圧の下で、bcc固体^5Heは核スピン秩序相に入る。この核スピン支磁磁性秩序相はuudd相(up-up-down-down相)といわれている。本研究では、NMR法を用いて、この特異な系のスピン・ダイナミックスを実験的・理論的に調べ、このような系でのスピン緩和機構、非線型なスピンの運動、カオス的なスピンの運動、一様なスピンの才差運動の不安定性、等を明らかにすることを目的とする。 2.昨年度に引き続き、uudd相固体^3He単結晶の反強磁性共鳴につき、その線幅の外部磁場依存性と温度依存性を精密に測定した。この反強磁性共鳴では、共鳴周波数の上のブランチと下のブランチに分れているが、下のブランチの共鳴について、その緩和における3-マグノン過程の存在が明らかとなった。即ち、線幅の温度依存性を測定すると、3-マグノン過程の選択則を満足する範囲で線幅が急激に広くなった。 3.理論的に3-マグノン過程および4-マグノン過程による反強磁性共鳴の線幅の計算をおこなった。その結果によれば、現在迄の我々のデ-タはこのような多マグノン過程として満足に説明される。 4.引き続き、外側に超伝導同筒による磁気シ-ルドを持った高均一度小型超伝導マグネットの製作を試みている。磁場補正用、磁場勾配印加用に電流シムをつけているが、この磁場に及ぼす超伝導磁気シ-ルドの影響を計算する大型計算機用のプログラムを開発した。 5.科学研究費補助金の交付を受けるのは本年度迄であるが、尚引き続き、関連テ-マを含めて本研究を推定して行く予定である。
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