研究分担者 |
神沢 博 国立極地研究所, 研究系, 助手 (20150047)
和田 誠 国立極地研究所, 研究系, 助手 (40132716)
西尾 文彦 国立極地研究所, 資料系, 助教授 (40044789)
渡辺 興亜 国立極地研究所, 研究系, 教授 (60111861)
川口 貞男 国立極地研究所, 資料系, 教授 (40000153)
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研究概要 |
極域の氷床や氷河の推積年代に関する研究を, 計画に従い次のように行った. 1.多量試料の分析方法の確立 極域の氷床や氷河には, 年代決定の上で有効なさまざまな示準物質が含まれている. 示準物質による年代決定は相対的な方法故に, 多数の測定を必要とする. このため, 少量のサンプルについて, 同位体組成,^<210>Pbによる堆積速度, 総β線量,pHなど, 一連の要素について, 測定の手法, コアの処理法および分析方法を検討し, 精度の高し方法を確立した. 2.南極氷床,東クィーンモードランドにおける表一浅層コアを用いての広域対比 南極氷床は, 沿岸部から内陸部へと大きく異った気候環境におかれているため, 推積年代に決定も異った方法となる. 沿岸部の年間堆積量が50cmを越える地域では, 化学主成分, 特に海洋起源の塩素やナトリウムの季節変化を用いて堆積年代の決定が可能であることが分った. 堆積の欠落が生じる斜面下降風域では, 堆積手代の推定の他, 堆積中断期間の推定が重要である. そこで, 本補助金により整備したα線測定装置を用いて, ^<210>Pbによる推定年代のギャップから, 堆積年代を推定した. この方法は, 南極域では〓の方法である. 南極内陸部に堆積年代としては, トリチウムによる方法の他, pHの季節変化を用いる方法も有効であることが分った. 3.北極域の示準分布との対比 3.北極スバルバール島で得られた雪氷コアの堆積半代を, トリチウムとコア中に見られた藻類の^<14>Cにより求め, トリチウム濃度については, 今後南極域の各地域との対比を行う.
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