研究課題/領域番号 |
62460047
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
藤井 理行 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (20125214)
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研究分担者 |
神山 孝吉 京都大学, 理学部付属地球物理学研究施設, 助手 (70135507)
和田 誠 国立極地研究所, 研究系, 助手 (40132716)
西尾 文彦 国立極地研究所, 資料系, 助教授 (40044789)
渡辺 興亜 国立極地研究所, 研究系, 教授 (60111861)
川口 貞男 国立極地研究所, 教授 (40000153)
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キーワード | 南極氷床 / 氷河 / 年代決定 / 放射性同位体 / トリチウム / 炭素14 |
研究概要 |
極域の氷床や氷河の涵養域に推積する積雪層には、エアロゾルやガスが逐次とり込まれる。このため、極域の氷床や氷河は、地球規模の気候や環境の状態を長い期間にわたってよく記録することになる。このため古気候、古環境の研究上雪氷コアは貴重な情報を提供する。極域の雪氷コア研究をすすめる上での大きな障害は、10^0〜10^5年の合理的な推積年代の決定方法が確立していないことである。 本研究では、初年度にイオンクロマトグラフ、パーティクルカウンタや本計画で購入したX線スペクトロメータなどの雪氷機器分析の手順や分析方法の確立を計った。2年目には、X線スペクトロメータのモジュールを追加し、鉛210による雪氷の推積速度データの分析能力を強化するとともに、環境の異ったさまざまな雪氷コアの年代推定を試みた。南極の乾雪域のコアの他、北極の夏期融雪が起こる上積氷地域の氷河コアの年代推定を行った。上積氷地域のコアは、季節層は消失するが年層は保存されるのでトリチウムなどにより推積速度を推定することができることが分った。また、スピッツベルゲンのコアでは、凍結されていたバクテリア層の年代を14Cにより決定することができた。 2年目の研究は、このように物質の輸送機構や推積課程の異なる地域のコアに対し、さまざまな方法により10^0〜10^3年の推積年代の推定を行い、環境の異なるそれぞれの雪氷コアに最も合理的と思われる推積年代の推定方法を体系化することができた。
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